2015年3月10日(火)
改革案拒否なら信問う
ギリシャ財務相 ユーロ圏離脱は否定
【パリ=島崎桂】ギリシャのバルファキス財務相は、イタリア紙コリエレ・デラ・セラ(8日付電子版)とのインタビューで、ギリシャ政府が金融支援延長の条件としてユーロ圏各国に提示した行財政改革案が受け入れられなかった場合、早期の選挙か国民投票を実施する可能性があると述べました。
バルファキス氏は「国民投票」の詳細について明言しませんでしたが、ギリシャ財務省は同日の声明で、「当然、改革案の内容や予算編成に関わるものだ」と指摘。ギリシャのユーロ圏離脱を問う国民投票の可能性を明確に否定しました。
ユーロ圏各国の財務相は9日、ブリュッセルで会合を開き、同改革案を協議しますが、同日中に何らかの合意が得られる可能性は低いとみられています。今回の発言は、こうした状況への焦りや懸念を示したものとみられます。
合意を得られた場合、ギリシャ政府は政権交代を理由に中断していた金融支援の再開により、18億ユーロ(約2360億円)の融資が受けられます。加えて、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和策として開始するEU各国の国債購入により、さらに19億ユーロの資金調達が可能となる見通しです。
一方で、新たな融資を受けられなかった場合、同国が近く債務不履行(デフォルト)に陥る可能性も指摘されています。ロイター通信によると、バルファキス氏は6日、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)に宛てた書簡の中で、改革案に関する合意期限の4月末を待たずに「実務的な協議を直ちに開始する必要がある」と表明していました。