2015年3月9日(月)
ポルトガル全土で反緊縮デモ
「選挙早く」
【パリ=島崎桂】ポルトガル全土の主要都市で7日、政府による緊縮政策が生んだ貧困拡大に抗議し、早期の選挙実施を求めるデモが行われました。現地からの報道によると、約1万人が参加。デモを主催したポルトガル労働総同盟(CGTP)は、「右派政治との断絶」と「民主的左翼による対案の創造」を呼び掛けました。
同国はギリシャと同様、欧州債務危機に伴う財政悪化を受け、2011年に欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)に対して金融支援を要請。支援条件として、社会保障の削減や増税など厳しい緊縮策を義務付けられていました。
債権者による財政審査を要する支援プログラム自体は昨年6月に終了したものの、同国のコエリョ政権は緊縮策を継続。今後、1万2000人の公務員削減を予定しているほか、公共交通機関、エネルギー、水道、通信など社会インフラの民営化も検討しています。
リスボンのデモ参加者は「不安定雇用と搾取に反対」などと書かれた横断幕を手に「(政府による)ペテンはもうたくさん」「我々は選挙を求める」と唱和しました。
CGTPによると、緊縮策の影響でこれまでに23万人が失業。失業率は20%以上で高止まりしています。CGTPのカルロス書記長は今回のデモにあたり、「(支援終了後も)状況は変わっていない」と緊縮継続を批判しました。
ポルトガルは今秋に総選挙を予定しており、左翼政党を中心とした反緊縮政党の伸長が見込まれています。