2015年3月4日(水)
エジプト カイロ中心部で爆発
11人死傷、過激派の犯行か
【カイロ=小泉大介】エジプトの首都カイロ中心部にある破棄院(最高裁に相当)前で2日、自動車の下に隠された爆弾が爆発し、保健省によると2人が死亡、9人が負傷しました。
爆発事件が起きたのは、観光客に人気がある考古学博物館や、ムバラク独裁体制を倒した2011年の「革命」の主要舞台となったタハリール広場に程近い場所。多数の一般市民が行き交う繁華街でテロとみられる事件が発生し死者が出たことで、国民の間に衝撃が広がっています。カイロでは2月26日に、携帯電話店やレストランを狙った5件の連続爆破事件が発生したばかりです。
今回の爆発事件について、「革命的懲罰運動」を名乗る組織がツイッター上で犯行を認めました。同組織は1月末の声明で、13年7月にイスラム主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ前大統領が軍により解任されたことを「クーデター」だとして非難。さらにエジプトに滞在するすべての外国人や外国企業の国外退去を要求し、応じなければ攻撃の標的にすると脅しました。
エジプトでは、モルシ氏解任以降、暫定政権や昨年6月発足のシシ政権がムスリム同胞団をテロ組織に指定して徹底弾圧し、双方の対立はいまだ解消の兆しすら見せていません。同胞団弾圧をめぐっては、当初からイスラム主義勢力の過激化を生むとの危惧が指摘されていました。
モルシ氏解任後は、過激組織ISに忠誠を誓う勢力が北東部シナイ半島で主に治安部隊やその施設を狙った攻撃を強め、兵士ら数百人が死亡する事態も続いています。