2015年3月4日(水)
最低賃金36%アップ ⇒ 1470円
米・オークランド 労働者と家族に喜び
住民投票で決定 “地域社会よくなる”
今月から実施
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米カリフォルニア州オークランド市の最低賃金が2日から、州の定める時給9ドル(約1080円)から12・25ドル(約1470円)に36%引き上げられました。これは昨年11月の住民投票で約82%の賛成で決まっていたもの。およそ4万8000人の労働者が恩恵を受けることになります。
地元紙は「私と家族にとってうれしいことだ。生活費を制限されてつらかったが、家族がよりましな食事ができるようになるし、医療費がかさんでもなんとかなる」といった日雇い労働者の声や、「経営は大変になるが正しい措置だ。うちで働く人たちが住めない町になってほしくない」というレストラン経営者の声を紹介しています。
最低賃金引き上げを知らない経営者や労働者がまだ多いことから、2日には市民団体がファストフード店などを訪ねて、労働者の新たな権利について知らせる活動に取り組みました。
住民投票実施に尽力した運動団体「リフト・アップ・オークランド」に加わる住民組織「持続可能な経済のためのイースト・ベイ同盟」のケイト・オハラ会長は、最低賃金引き上げで「より多くの家族が家に住み続けられ、より多くの労働者が職場の近くに住めるようになり、家族と過ごす時間が増えて、よりよい地域社会をつくれる」と意義を強調しています。
米国では今年中に23州と首都ワシントンで法定最低賃金が引き上げられ、500万人が恩恵を受けます。オバマ政権は政府規定の最賃を10・10ドル(約1212円)に引き上げるよう提案しています。