2015年3月3日(火)
テロ死者 2月も1000人超
イラク 国連、政治解決を要求
【カイロ=小泉大介】国連イラク支援団(UNAMI)は1日、同国で2月にテロや暴力により死亡した国民が少なくとも1103人に、負傷者は2280人に達したと発表しました。1月(1375人が死亡)にひきつづき多数の犠牲者が出たことを受け、UNAMIは問題解決に向けたイラクの政治的統一の重要性をあらためて訴えました。
イラクでは2月28日にも、首都バグダッド北方約100キロのサマラとその周辺で自動車爆弾によるテロ攻撃が発生し、37人が死亡しました。サマラはこれまでイラクとシリアを拠点とする過激組織ISの軍事攻撃にたびたびさらされており、今回も同組織の犯行とみられています。
UNAMIのムラデノフ代表は1日の声明で、「ISは現在もすべてのイラク人を標的にしたテロ攻撃を連日仕掛けている」と指摘。その上で、もっぱら軍事に頼った解決策はないとして、「イラクの政治家、宗教指導者、地域指導者の完全なる参加による和解と、それにもとづく国家統一の達成に向けた努力」を求めました。
ISは2003年に米軍が強行したイラク侵略戦争・占領による「宗派対立」の混乱に乗じて、同国で勢力を拡大してきました。これに対し米軍主導の「有志連合」は現在、再び空爆など軍事手段で対抗しています。