2015年2月20日(金)
親ロ派 東部要衝を制圧
ウクライナ大統領 平和維持軍要請へ
ロシアの支援を受けたウクライナの親ロシア派は18日、ウクライナ東部の交通の要衝ドネツク州デバリツェボを制圧しました。ほぼ2週間にわたり包囲されていた政府軍約6000人は死傷者多数を出しながら撤退しました。親ロ派が15日の停戦発効後に大規模な支配地域を拡大したものだとして、国際社会から厳しい批判が上がっています。
脱出してきた兵士が西側メディアに語ったところによると、デバリツェボは停戦発効数時間後から大規模な攻撃を受け、壊滅状態となりました。政府軍は補給路を制圧されて孤立し、食料や水、弾薬も不足しました。
医療兵の1人は、18日深夜に雪原をヘッドライトを消したトラックなどで撤退を図ったものの、親ロ派の攻撃を受け、多数の兵士が徒歩で脱出したなどと証言。多数のウクライナ兵が捕虜となっている可能性があります。
同市での政府軍の包囲自体を認めてこなかったウクライナのポロシェンコ大統領は18日、「計画的、組織的撤退」を命じたと表明。しかし政府軍関係者は、同市からの撤退ルートも支配できていないと認めています。
ポロシェンコ氏は同日夜、東部への平和維持軍の受け入れを検討するよう国家安全保障・国防会議に命じました。また戒厳令を敷く用意があると表明しました。
タス通信によると、親ロ派は18日、前線からの一部重火器の撤去を開始したと発表。しかし引き続き戦略的要衝の制圧を続けるのではないかとの懸念も強まっています。