2015年2月10日(火)
現場の声ぶつけ大反響
民意背に安倍政権と対決
躍進共産党の論戦
現場の声、実態をつきつけ安倍政権と正面対決―。1月末から今月6日まで衆参予算委員会・参院決算委員会で行われた日本共産党国会議員団の質問に「自分たちの声を代弁してくれた」と大きな反響が寄せられ、他党にも影響を与えています。総選挙で躍進して質問時間も拡大。その力がさっそく発揮されています。
|
自民党員「迫力ある」
■ 米軍新基地・オスプレイ
民意を踏みにじり、地元県民の頭越しに米軍新基地建設、自衛隊オスプレイ配備を進める安倍政権に、現場の声をつきつけ対決したのが日本共産党の質問でした。
衆院予算委員会質問で日本共産党の先陣を切った赤嶺政賢議員は、衆院選の沖縄小選挙区で全勝した「オール沖縄」代表としての初質問ともなりました。
赤嶺氏は、名護市辺野古で海上作業の強行が続く米軍新基地建設問題で、昨年の選挙で示された沖縄の民意を突きつけ、作業中止を要求。海上保安庁の過剰警備を追及し、民主主義に背く政権の姿を浮き彫りにしました。(1月30日、衆院予算委)
この質問後に沖縄に入り、座り込みが続く米軍キャンプ・シュワブ(名護市辺野古)のゲート前の行動に赤嶺氏が訪れると、県民らは拍手と喝采で歓迎。「ここで質問を見ていました」との声も。質問2日後にもテント小屋に集まって赤嶺氏の質問の動画を上映する場が設けられるなど、運動の力になっています。
地元紙は「工事中止の声広げよう」との社説(沖縄タイムス1日付)で赤嶺氏の質問を紹介。海保の過剰警備を連続写真で報じた地元紙のホームページへのアクセスが集中したとしています。
赤嶺氏のフェイスブックには、「政賢さんの質問に迫力があったのは、そこに民意があるから。自民党員ですが、今の政権の方法には大いに異議あり!」とのコメントが寄せられました。
たたかいは地元と
県営の佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備問題を取り上げたのは、仁比聡平参院議員(5日、参院予算委)。約30年におよぶ反対運動をへて民間空港として建設された経過も知らず、地元の頭越しに軍事拠点化を図る政権の姿勢を追及した質問に、全国から反響が相次ぎました。
佐賀空港の「存立に関わる問題」(仁比氏)である“県と関係漁協との約束”(公害防止協定)も把握せず、佐賀県庁に乗り込んだ防衛副大臣の横暴ぶりを明るみにした質問。地元では、「佐賀新聞」が仁比氏の写真も載せて政府側とのやりとりを詳報しました。ある地方紙記者は「地元と一緒にたたかっているような質問だった」。佐賀市民からも「佐賀県中の人たちに見てもらいたい質問」との感想が寄せられました。
質問で空港の経緯を知った県外のテレビ視聴者からも、「民主主義に関わる問題だ」などの感想が寄せられました。80代女性は、一方的な政府宣伝が流される現状について「戦争したときの大本営のようで暗い気持ちになっていた」といいますが、仁比氏の質問に「国民の立場で頑張る議員がいるとわかった。今日は貴重な一日になりました」と電話してきました。
改善迫り一歩前進も
■ 中小企業・原発・介護・ブラック
|
日本共産党は中小企業、原発被災地、介護、派遣労働の現場を調査し、関係者から出された切実な声を国会質問で代弁し、政府に改善を迫りました。その中で一歩でも現状を前進させる働きをしています。
自民党議員も感嘆
「今日は中小企業一本だった。だいぶ点数稼いだね」。4日の衆院予算委員会の塩川鉄也議員の質問を聞いて、自民党の大物議員はこう感嘆しました。
塩川質問は、円安による物価上昇と消費税増税が中小業者の肩に重くのしかかり、消費税が納税できなくなる仕組みをわかりやすく解き明かしました。
さまざまな統計や政府資料などを具体的に示すとともに、街の弁当屋さんの声まで丁寧にひろい、「(消費税を)販売価格に転嫁できない」との叫びを伝えた質問。共感した視聴者からは、「ワンコイン弁当にはいくつもの工夫と苦労が入っています」「自公政権によるゆがんだ経済政策がくっきり浮かぶ」「中小企業・小規模事業者の代弁者となって政府に訴えかけられていた」との感想が寄せられました。
原発被災地の声を
福島での“原発ゼロ”、避難者の住宅確保を求め、「福島原発と被災者支援問題」について安倍首相と竹下亘復興担当相に対応を迫ったのが高橋千鶴子議員です(1月30日衆院予算委員会)。
実態を突きつけた質問に“福島の声”が寄せられました。「『仮設に住んでみろ。1人だと4畳半一間だぞ』との原発避難者の声をまっすぐに政治に届け、苦難軽減のために国会質問をやれるのは、共産党しかない」、「今回も質疑(千鶴子節)大変よかったです。8議席時代とは比較にならない内容の濃さでしたね。21議席の重みを実感です。共産党に投票して良かった。まだまだ議席を増やして、もっと攻めていただきたい。野党第2党へ!頑張って下さい」との期待がツイッターでネット上に流れました。
自民党席から拍手
介護報酬引き下げの撤回を迫った小池質問(3日の参院予算委員会)も反響をよびました。テレビでみた山形県内の特養ホーム施設長(55)は「私たち介護の仕事をしている者の代弁をしっかりしていただき心強かった」といいます。
介護現場の深刻な実態を突きつけた小池質問には、与党議員からも拍手。国会論戦の流れをつくる大きな役割を果たしています。5日の同委員会では自民党からも「(安倍首相は)『持続可能な制度に』というが、大事なのは真面目にコツコツと高齢者のお世話をしているところを守ることだ」(上野通子議員)と、報酬引き下げを正当化する政府答弁への苦言が飛び出しました。
食い下がって成果
|
「若者から夢を奪い、人生を奪うブラック企業の根絶」をライフワークとする吉良よし子参院議員。6日の参院決算委で初の首相対決(TV入り質問)の論戦にのぞみ、タイムカードの打刻時間を遅らせて労働時間をごまかすブラック企業を実名で告発しました。
“初首相質問”は大反響。「私が働いていた職場でも、同じようなタイムカードの実態がありました。周りからは、それが常識だと言われていました! これからも、働く人々のために、頑張ってください」「ラジオ体操、就業時の掃除など時間内になりますように! 成果、大分獲得しました! ご苦労さまでした」と歓迎の声が寄せられています。
翌日付「毎日」は、「若者の雇用環境改善を訴え13年夏の参院選で初当選した」吉良氏が「悪質企業の社名公表」を食い下がり追及し、「さまざまな手段を検討する必要がある」との首相答弁を引き出したことを報じました。
論戦の流れ変えた
■ 人質殺害事件
「よくぞ追及してくれた」「他党との違いが鮮明になった」
3日の参院予算委員会で、過激組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件での政府対応をただした小池晃議員の質問を視聴した人から寄せられた感想です。人質殺害事件での日本政府の対応はどうだったのか、その冷静な検証は国会冒頭の大きな焦点でした。
|
小池質問はネット上でも大反響をよびました。同日夜、テレビの報道番組でも大きく取り上げられ、「政府が『イスラム国』へのリスクをどれだけ考えていたかは大事なポイントだ」(TBS系番組で岸井成格氏)とのコメントが出されました。
日本人人質事件をめぐる国会論戦は、(1)湯川遥菜、後藤健二両氏の拘束がネット上で明らかになる前段階から政府は本腰を入れた対応をしてきたか(2)安倍首相の中東歴訪での安倍首相の言動はどうだったか―をただした小池質問を機に一変します。
2日の参院予算委員会までは、「今の答弁でよく理解できた」(大塚耕平議員)と検証姿勢がゆるかった民主党ですが、小池質問を受けた4日の衆院予算委員会では「(安倍首相は)配慮した言葉を選ぶ必要があったのではないか」(細野豪志議員)と論戦の方向を転換。政府対応を追及していく姿勢を示しました。
【寄せられた声・意見】
◆赤嶺衆院議員に対して
・筋が通っていて後ろにはオール沖縄の声があると分かった
・沖縄のことをしっかり守っていきたいという気持ちが伝わってきた。これが国会議員
◆高橋衆院議員に対して
・涙が出そうになった。共産党にもっと大きくなってほしい
・原発事故にともなう住宅問題を具体的にとりあげてくれた。がんばって
◆小池参院議員に対して
・ごちごちの保守で共産党に投票したことはないが、同感だ
・(安倍首相の地元)山口なので首相を崇拝する気持ちもあるが、小池さんの質問には感動した。共産党はもう少し大きくなっていいと思う
◆塩川衆院議員に対して
・法人税減税と企業献金の関係など「やっぱりね」と思う内容でした
◆仁比参院議員に対して
・完膚無きまでの追及。防衛大臣と安倍首相は答弁不能に陥りました。地元のみなさんの痛切な思い・不審を体現するような質問。地方選でも応援させてもらいます
◆吉良参院議員に対して
・こういう痛烈なアピールをしてくれる候補だと信じて1票を投じたかいがあった
・非正規の方の気持ちや、今の企業の実態を押さえた質問。私たち国民多数の声を頑迷な安倍政権にぶつけ、少しでも現実を動かして