2015年2月10日(火)
廃業・倒産余儀なくされる 賠償打ち切りは責任放棄
東電の撤回求める 参院決算委 福島原発事故で倉林議員
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「賠償打ち切りは、国や東京電力による加害者責任の放棄だ」――。日本共産党の倉林明子議員は9日の参院決算委員会で、福島第1原発事故による避難区域外事業者への賠償を今年2月に打ち切るとする東電方針の撤回を求めました。
昨年12月に開かれた被災事業者に対する非公開の説明会で、東京電力が、原発事故による営業損害賠償を2015年2月で打ち切る素案を、資源エネルギー庁が賠償への基本的な方針をそれぞれ提示。避難指示区域外の事業者賠償は、「相当の因果関係がない」と東電が判断すれば、2月で打ち切るとしています。
倉林氏は、打ち切り素案が「統計データ等により収束傾向が見られる業種も存在(している)」としている根拠を示すよう要求。しかし、経済産業省の岩井茂樹大臣政務官はデータ開示を拒否。倉林氏は「根拠も示さず打ち切りなど、到底理解されない」と批判しました。
さらに「賠償の終期(期限)について原子力損害賠償紛争審査会の結論はあるか」と質問。文部科学省の田中正朗研究開発局長は、「(賠償が終わるのは)従来と同じか同等の営業が可能になった日だ」とし、審査会は終期を定めていないと答弁しました。倉林氏は「経産省のやり方は審査会の指針をゆがめるものだ」と批判、ごまかしを指摘しました。
倉林氏は、経産省の担当者が、素案撤回を求めた福島県内の地元商工会に対し、「素案の撤回を行うと賠償がなくなる」と述べたことが怒りを広げていることを紹介。いわき商工会(いわき市)が要望書で「賠償が打ち切りになると、廃業・倒産を余儀なくされる商工業者が続出する」と表明していることを示し、繰り返し撤回を求めました。経産省・岩井政務官は「打ち切らない」とは明言しませんでした。
倉林氏は「生業(なりわい)を取り戻すまで賠償するのが東電と国の責任だ。打ち切りを言いだすこと自体、加害者責任の放棄だ」と述べ、打ち切り方針の撤回を求めました。