2015年2月7日(土)
債務返済 溝埋まらず
ギリシャ・独の財務相会談
【パリ=島崎桂】ギリシャのバルファキス財務相は5日、ベルリンでショイブレ独財務相と初会談し、ギリシャ債務の返済条件緩和について協議しました。極度の緊縮政策を伴う従来の返済計画に固執する独政府の姿勢に変化はなく、両国の溝は埋まりませんでした。
緊縮策の見直しを掲げるギリシャ新政府に対し、かねてから不満を示していたショイブレ氏はこの日も、「(緊縮見直しは)良い方向には進まない」と指摘。「われわれが今なすべきことについて合意には至らなかった」とした上で、「合意しないことで合意した」と皮肉りました。
併せて、ギリシャ政府に対し、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)の3機関(通称トロイカ)との債務協議を再開するよう促しました。ギリシャ政府は、トロイカの枠組みはEU法で規定されていないとして、同枠組みでの交渉を拒否しています。
バルファキス氏は、両国の間に相違があることを認めた上で、「協議を開始することでは合意した」とし、債権者との新たな合意案策定に向けた時間的猶予を求めました。
また、ECBは4日、ギリシャ債務を担保とした金融機関への資金供給の停止を発表。ギリシャ政府を取り巻く環境は厳しさを増しています。
ギリシャの首都アテネでは5日、ECBの決定に抗議するデモが行われ、警察発表で約5000人が参加。反政府デモやゼネストが相次いだここ数年で初となる政府支援デモとなりました。