2015年2月6日(金)
仏大統領 ギリシャ首相を支持
反緊縮は明確な民意
【パリ=島崎桂】ギリシャのチプラス首相は4日、パリでオランド仏大統領と会談し、ギリシャ債務の返済計画の見直しに向けた協力を求めました。会談後の共同会見でオランド氏は、チプラス氏への支持を表明。チプラス氏は、債権者である各国政府・機関との新たな合意形成は可能との見通しを示しました。3日にはイタリアのレンツィ首相もギリシャ政府の姿勢に理解を示しており、ここに来て仏伊両国がギリシャを支持、反対するドイツとの仲介を果たす可能性も出てきました。
オランド氏は、チプラス氏率いる急進左派連合(SYRIZA)が勝利したギリシャ総選挙に触れ、「緊縮政策を支持しないという明確で力強い民意を示した」と指摘。フランスとギリシャは、「成長志向を持つ、より連帯した欧州という目的を共有している」と述べました。ただ、チプラス氏が求める債務の一部帳消しについては受け入れない姿勢を示しました。
チプラス氏は、「ギリシャ国民は過去数年間、(緊縮策により)多大な犠牲を払ってきた」と主張。債務返済計画の見直しについて、「欧州のパートナーにとって現実的で受け入れ可能な計画がある」「ギリシャは欧州の脅威ではない」と訴えました。
チプラス氏は同日、訪仏に先立ち、ブリュッセルで欧州連合(EU)のトゥスク大統領、ユンケル欧州委員長と会談。ギリシャの財政再建に向けた「4カ年計画」の策定を提案しました。報道によると、同計画には緊縮政策の緩和と併せ、汚職・脱税対策を盛り込みました。
チプラス首相は3日にはイタリアのレンツィ首相とも会談。レンツィ氏も「欧州の機関と合意できる条件があると信ずる」と述べ、EUなどによる金融支援の枠組みを変えることに理解を示しました。
ギリシャのバルファキス財務相は5日、ドイツのショイブレ財務相と会談します。ドイツは緊縮策を伴う従来の返済計画の厳守を求めており、新たな合意形成を目指すギリシャ政府にとって、ドイツの説得は最大の難関となっています。