2015年2月2日(月)
スパイ衛星打ち上げ
性能・運用・画像は非公開
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、情報収集衛星(軍事スパイ衛星)のレーダー予備機を、JAXA種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケット27号機で打ち上げたと発表しました。
情報収集衛星は、内閣官房が運用し、データを防衛省や公安調査庁などが利用しています。昼間の晴れたときに地上の物体を監視する光学衛星と、夜や曇りでも使えるレーダー衛星の2種類あり、それぞれ2機、計4機体制です。また、これとは別に、技術実証を目的とした「実証衛星」を運用しています。
今回打ち上げたレーダー予備機は、過去に2機のレーダー衛星が5年の設計寿命の前に使えなくなったため予備として打ち上げるものだと、内閣衛星情報センターは説明しています。
同衛星には毎年600億〜700億円規模の税金が投入され、これまでの総額は約1兆円にのぼります。2014年度の補正予算案で81・3億円、15年度の予算案では614億円が計上されています。
解像度などの性能や軌道情報、運用実態、撮影画像は非公開。一部の情報は「特定秘密」に指定されています。導入目的の一つに「大規模災害への対応」をあげているにもかかわらず、「安全保障」を理由に、東日本大震災の被災地を含めて撮影画像はいっさい公開していません。