2015年1月29日(木)

新財務相に反緊縮派ギリシャ

（写真）閣僚の任命式を終え、ギリシャ大統領官邸を後にする同国のチプラス首相（手前）と新閣僚ら＝２７日、アテネ（島崎桂撮影）

　【アテネ＝島崎桂】ギリシャ総選挙で政権交代を果たした急進左派連合（ＳＹＲＩＺＡ）を率いるチプラス新首相は２７日、閣僚人事を発表しました。新財務相には、反緊縮派の論客として知られるアテネ大学の経済学教授ヤニス・バルファキス氏を任命。同国債務の返済計画の見直しに向け、債権者である欧州連合（ＥＵ）や国際通貨基金（ＩＭＦ）との協議を担当します。

　バルファキス氏は、２００８年に発生したサブプライムローン危機を予見したことで知られる左派系の経済学者。かつては前与党・全ギリシャ社会主義運動（ＰＡＳＯＫ）への助言を行っていましたが、同党の課した緊縮政策に反発。以来、反緊縮を掲げるＳＹＲＩＺＡへの支持を表明していました。

　このほか、経済再生や雇用回復を担当するポストを強化。失業や貧困、社会保障の大幅削減など、過去５年間の緊縮策が生んだ「人道的危機」の克服を最優先に据えた布陣となりました。汚職一掃を担当する閣僚を新設するなど、政治・経済の民主化を進める姿勢も示しています。