2015年1月26日(月)
ギリシャ
問われる緊縮政策
総選挙の投票始まる
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【アテネ=島崎桂】現政府が課す緊縮政策への賛否が問われるギリシャ総選挙(定数300)の投票が25日、始まり、即日開票されます。直前の世論調査では、反緊縮を掲げる野党・急進左派連合(SYRIZA)が支持率で首位を維持。連立を要しない安定政権の樹立に必要な議会過半数(151議席)を獲得するかが焦点となります。
緊縮策の原因となっている同国債務の返済計画の見直しを求めるSYRIZAに票を投じた男性(46)は、「(欧州連合や国際通貨基金など)債権者との交渉は厳しいものになると思う。でも、ギリシャが抱える経済・社会的危機を終わらせるには、返済計画を見直すしかない」と語りました。
緊縮継続を訴えるサマラス首相の与党・新民主主義党(ND)に投票したという老齢の男性は、「SYRIZAは富の再分配ばかり強調するが、成長がなくては、危機の克服もできない」と話しました。
同党幹部は24日、獲得議席にかかわらず「いかなる形であっても新政権を樹立する」と強調。一方で、連立可能な政党には触れず、結果が判明するまでは過半数獲得を目指す姿勢を示しました。
アテネ市内で約4万人を集めたSYRIZAの政治集会(22日)では、スペインの反緊縮政党・ポデモスのイグレシアス党首が応援演説に立ちました。今年末に総選挙を控えるスペインでは、ラホイ首相率いる与党・国民党を抑え、ポデモスが支持率で首位に立っています。
ギリシャでの選挙期間中にはポデモスのほか、各国の反緊縮政党もSYRIZAへの支持・応援に駆けつけており、同党の勝利は、欧州各国での緊縮策をめぐる政治状況に大きな影響を与えそうです。