2015年1月26日(月)
「イスラム国」人質事件 湯川さん殺害示唆の画像
日本政府「否定する根拠ない」
政府は24日午後11時すぎ、過激組織「イスラム国」とみられる集団による湯川遥菜(はるな)さん(42)、フリージャーナリストの後藤健二さん(47)人質事件で、湯川さんが殺害されたとされる画像をインターネット上で確認しました。
菅義偉官房長官は25日の記者会見で、「引き続き画像の分析を進めているが、現時点で殺害を否定する根拠は見いだせない」と述べ、画像の信ぴょう性は高いとの見方を示しました。
安倍晋三首相は25日のNHK番組で「(ネット配信の写真の)信ぴょう性は高い」とのべたうえで、「このようなテロ行為は言語道断であり、許すことのできない暴挙だ」と批判。「後藤さんに危害を加えないよう、直ちに解放するよう求める」と述べました。
画像では、オレンジ色の服を着た後藤さんとみられる人物が、湯川さんとみられる遺体の写真を手に持っていました。さらに後藤さんが読み上げているとされる声明で、後藤さん解放の条件として過激組織側がヨルダンに収監されているテロ実行犯のサジダ・リシャウィ死刑囚の解放を要求。また、「これが私の最期の言葉とならないようにしてほしい。安倍首相に私を殺させてはならない」と述べ、要求が実現しない場合、後藤さんが殺害される可能性を示しています。
一方、20日までにネット上に公開された最初の画像で要求していた身代金2億ドル(約235億円)については言及していません。
政府は25日未明、関係閣僚会合を開き、安倍首相は(1)正確な情報収集(2)人命第一で迅速な解決に取り組む(3)国内外の日本人の安全に万全を期す―ことを指示しました。
菅長官は会見で、「ヨルダンなど関係各国の協力を得ながら、(後藤さんの解放に向けて)全力を尽くしている」と述べました。
ただ、現時点で「イスラム国」とみられるグループとの接触は「存在しない」(菅長官)状況です。