2015年1月24日(土)
生活破壊の緊縮ノー
急進左派連合が集会
ギリシャ総選挙前に
【アテネ=島崎桂】25日投票のギリシャ総選挙(定数300)で第1党になることが見込まれている野党・急進左派連合(SYRIZA)は22日、投票前最後となる大規模な政治集会をアテネで開催しました。同党のツィプラス党首は、サマラス首相が取ってきた極度の緊縮政策を批判。「SYRIZAが政権を担う初めてのチャンスは、ギリシャが(緊縮策の)危機から脱する最後のチャンスになる」と述べ、支持を訴えました。
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集会場となったアテネ中心部のオモニア広場には多くの支持者が集まり、通行止めとなった周囲一帯を埋め尽くしました。
大声援を受けたツィプラス氏は、約50%に達する青年失業率を念頭に、「サマラス首相は若者の雇用を奪い、未来を奪った」と指摘。「食料のない子ども、ベッドのない病院、水道のない住宅をギリシャからなくす」と述べ、緊縮策が破壊した国民生活の再建に最優先で取り組む姿勢を示しました。
一部の支持者は集会を前に、アテネ市内をデモ行進。「(緊縮策による)災難に終止符を」などと書かれた横断幕を手に、「サマラスにノー」「今こそギリシャを再生する時だ」と唱和しました。
デモと集会に参加したオルガ・クラサナキさん(55)は、「大学を出た後も、息子と娘に見つかる仕事は短期のアルバイトばかり。2人とも人生に失望しかけている。政治を変えることで、子どもたちにもう一度勇気を与えたい」と語りました。
一方、与党・新民主主義党(ND)を率いるサマラス氏は、同国債務の返済計画見直しを掲げるSYRIZAの“不確実性”を批判。欧州中央銀行(ECB)が同日発表した量的緩和策で、ギリシャ国債の購入に条件を設けたことに触れ、「SYRIZAの政策は、(緩和策がもたらす)発展からわれわれを除外する」と危機感をあおりました。
22日発表の世論調査は、SYRIZAが36%、NDが30%を得票すると予測。両党の支持率の差は、21日の調査に続きさらに開きました。