2015年1月22日(木)
少数民族に大幅権限
スリランカ新政権 憲法改定を表明
【ニューデリー=安川崇】スリランカのシリセナ新政権は20日、少数派タミル人多住地域への大幅な権限移譲を定めた「第13次憲法改定」を実施すると表明しました。タミル人政党の長年の要求に応じることで、政権は少数民族との和解に前向きな姿勢で臨む姿勢を見せた形です。
9日に就任したシリセナ新大統領に指名されたウィクラマシンハ首相は20日、初めて議会で演説し、この中で「統一国家の枠組みの中で、第13次憲法改定を実施する」と語りました。
同国では多数派シンハラ人中心の政治に対するタミル人の不満を背景に、分離主義組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)が台頭し、1980年代から2009年まで政府軍との内戦が続きました。
その過程で権限移譲による少数民族問題の解決を目指した政府が1987年、インド政府の仲介で憲法を改定。各州に設ける州評議会への権限移譲を定めました。
しかし内戦の激化でタミル人地域では公正な州評議会選挙が実施できず、また2009年の内戦終結後も権限移譲は部分的なものにとどまっています。
このためタミル人政党は、「第13次改定が全面的に実現し、タミル人に実質的な権限を与えない限り、問題は解決しない」(タミル国民連合のプレマチャンドラン報道官)と主張していました。