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2015年1月13日(火)

反テロ 欧州・世界が連帯

平和的解決 求める声

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 仏風刺週刊紙シャルリー・エブド本社銃撃事件と連続テロ事件を受け、世界各国で11日、テロに抗議し、犠牲者を悼む集会やデモが行われ、国際的な連帯を示しました。テロを許さず表現の自由を守る意志を表すと同時に、分断を持ち込む動きに反対する声もあがっています。


写真

(写真)仏連続テロに抗議し、犠牲者を追悼するデモの参加者=11日、パリ(島崎桂撮影)

自由・平等・博愛 掲げ パリ

 【パリ=島崎桂】「圧巻だよ。こんな光景は生まれて初めてだ。ここにいる全員が自由の擁護を求めている」―。パリで行われた大行進。大学生のジャン・バティストさん(22)はこう語り、ガードレールに上って隊列を見回します。

 コース沿いにある集合住宅の窓には、フランス国旗や「私はシャルリー」の横断幕やステッカーが掲げられ、ベランダから激励する人も。

 パリ市当局はこの日、地下鉄を全線無料とするなど、全面的に大行進を支援しました。

 スペイン系フランス人のリューベン・ゴメズさん(70)は「表現の自由を守り、テロリストを自由にさせないという意志を示すためのデモだ」と話します。

 「自由・平等・博愛」と書いたフランス国旗を手にしたパトリック・デュポンさん(54)は「容疑者をイスラム教徒と言う人もいるが、私に言わせればとんでもない。犯人はただのテロリストであり、人殺しだ」と語気を強めました。

 また、移民国家を反映し、リビア、チュニジア、コンゴ民主共和国、イスラエル、ウクライナなど、自国の国旗を持って大行進に参加する人もみられました。

独1.8万人・ベルギー2万人…

欧州各地

 【パリ=島崎桂】フランス以外の欧州各地でも集会やデモが開かれました。

 現地からの報道によると、ドイツの首都ベルリンでは約1万8000人が参加。駐独フランス大使館前を中心に、「テロの恐怖を乗り越えよう」と唱和しました。

 英ロンドンでも1000人以上が集まり、鉛筆を掲げて銃撃事件の犠牲者に哀悼の意を示しました。

 ベルギー・ブリュッセルでは、「一緒に憎悪に抗議しよう」を合言葉に、約2万人がデモ行進。ウィーンでは、オーストリア政府の呼び掛けに応じ、約1万2000人が街道に繰り出しました。

 スペインのデモ参加者はデモ後、2004年に190人以上が死亡した連続列車爆破テロの現場となったマドリード市内のアトーチャ駅で集会を開催。犠牲者を追悼しました。

 このほか、イタリア、ギリシャ、アイルランド、スウェーデンなどで、数百人から数千人規模のデモや集会が開かれました。

 妻がフランス人だという英国人男性は仏メディアに対し、「欧州、そして全世界が一致して、(テロの)残虐性に抗議しなければならない」と語りました。

パレスチナとイスラエルも

 【カイロ=小泉大介】ヨルダン川西岸とガザのパレスチナ自治区でも、テロを非難し、平和的な問題解決を求める集会が開催されました。イスラエルでは欧州各国に住むユダヤ人の自国への移住を促す動きが顕著となっています。

 パリでの大行進にはパレスチナ自治政府のアッバス議長が参加し、オランド仏大統領や各国首脳らと腕を組んで歩きました。

 同じ頃、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでは数百人の住民が集会を開催。パレスチナ解放機構(PLO)のアベドラボ事務局長はあいさつで、「われわれはフランスに対しメッセージを送る。それは、自由、正義、平等という共通の価値を守り抜くわれわれの決意であり、テロは打ち破られなければならないという信念である」「これらは民主主義の方法によって達成されなければならない」と表明しました。

 イスラム武装抵抗組織ハマスの拠点であるガザでも、仏文化センター前でテロ事件犠牲者を追悼するキャンドル集会が取り組まれました。ハマスは10日に仏テロを非難する声明を出していました。

 パリでは新聞社銃撃事件後、ユダヤ教食料品店立てこもり事件が発生し、人質のユダヤ人が殺害されました。イスラエルでは11日、エルサレム市役所で500人以上が追悼集会を行い、バラカト市長は「テロはわれわれ全てに対する攻撃だ」などと訴えました。

 11日のパリ大行進に参加したイスラエルのネタニヤフ首相は10日、欧州に住むユダヤ人向けに出した声明で「イスラエルはあなた方の家だ」と述べ、移住を歓迎する立場を表明しました。


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