2015年1月10日(土)
駐留米軍 15施設返還
欧州6カ国 経費節減の一環
【ワシントン=島田峰隆】米国防総省は8日、英国やドイツなど欧州6カ国の駐留米軍の再編・統合計画を発表しました。国防予算の削減に伴う経費節減策の一環ですが、引き続き欧州諸国の“安全保障”に関与すると強調しています。
発表によると、ミルデンホール英空軍基地の施設を含む合計15施設を駐留国に返還します。ミルデンホール基地に駐留する米空軍部隊は欧州の他の基地に分散させる一方、別の英空軍基地へ最新鋭戦闘機F35を2020年から配備するとしています。英国全体で駐留米兵は約2000人減ります。
このほかドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、ポルトガルにある施設に関し、閉鎖・返還や移転を行うとしています。
国防総省によると、計画実施によって年間約5億ドル(約600億円)の予算削減になります。
ヘーゲル米国防長官は声明で「欧州における米軍の能力を最大限活用し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国を支援する措置だ」と表明。国防総省のショレット次官補も会見で「米軍の能力を下げるものではなく、欧州での強力なプレゼンスを維持するものだ」と指摘しました。
アフガニスタンとイラクの戦争で急増した巨額の軍事費は米国の財政危機の要因の一つとなっています。13年3月から歳出の自動削減が始まり、軍事費もその対象に含まれています。