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2015年1月8日(木)

共和党、対決姿勢強める

米新議会開会 TPPなど焦点

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 【ワシントン=島田峰隆】昨年の中間選挙で野党共和党が上下両院で多数派となった米国の新議会が6日、始まりました。任期が残り2年となったオバマ大統領は実績づくりを目指しますが、共和党が対決姿勢を強めるなかで厳しい政権運営を迫られます。

 新議会の勢力は、上院(定数100)で民主44、共和54、無所属(民主系)2、下院(435)で民主188、共和246、欠員1。下院は6日、議長に共和党のジョン・ベイナー氏を再任しました。

 オバマ氏は昨年、議会の協力が得られないもとで移民制度改革などの公約を大統領令で実施してきました。同氏は6日、「共和党と意見が違う分野もあるが、ともに前進できる分野に焦点を当てなければならない」と語り、協力を訴えました。

 共和党は医療保険制度改革(オバマケア)や移民制度改革の廃止、撤回を要求。外交面でもオバマ氏が発表した対キューバ国交正常化交渉や温室効果ガス削減をめぐる中国との合意などに消極的です。

 同党は今週中にも、カナダから米南部テキサス州に原油を運ぶパイプラインの建設承認法案を上院で可決する見込み。環境への影響を懸念してオバマ氏が承認を延期してきた計画で、早速圧力をかけようとしています。

 一方、オバマ氏が民主、共和両党の支持が得られるとして強調しているのが、環太平洋連携協定(TPP)など通商協定の妥結、批准に必要な法案の可決です。米メディアは「貿易分野は、オバマ氏が残りの任期に実績をつくる最良の機会の一つだ」と指摘します。

 オバマ氏は昨年12月上旬、企業関係者との会合で「貿易協定に反対する人々は米国の労働者に打撃を与えている現状に甘んじている」などと語りました。

 しかし民主党の支持基盤である労組や環境団体は、大企業優先の貿易協定だとしてTPPに反発しています。オバマ氏の演説の直後には民主党の上院議員らが「自国経済を守る権限を政府から奪う貿易協定は支持できない」とする書簡を政府に送付。議員らは、多国籍企業が国や自治体を訴えることができるとした条項を懸念しています。

 共和党の一部にも交渉が秘密裏に進められていることから“議会無視だ”と反発する動きがあり、オバマ氏の思惑通り進むかは予断を許しません。


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