2015年1月5日(月)
「イスラム国」 リビア兵士14人殺害
混乱に乗じて勢力拡大
【カイロ=小泉大介】リビア政府は3日、イスラム過激組織「イスラム国」の戦闘員が同国南部で政府軍兵士14人を殺害したと発表しました。「イスラム国」はイラクとシリアを拠点としていますが、内戦状態にあるリビアの混乱に乗じて勢力を拡大している実態が鮮明となりました。
「イスラム国」のリビアへの進出をめぐっては、米アフリカ軍司令官が昨年12月、数百人規模の同組織メンバーが武装訓練を行っていると発表しました。その後、「イスラム国」はリビアで、警察建物に対する自動車爆弾攻撃で犯行声明を出すなどしていましたが、死者が出たのは今回が初めてとみられます。
北大西洋条約機構(NATO)軍の介入によるカダフィ独裁体制崩壊から3年余が経過したリビアでは、世俗系とイスラム系の武装勢力の間の戦闘が激化の一途をたどっています。治安悪化も止まらず、3日には中部シルトで、エジプト国籍のキリスト教徒13人がイスラム系らしき武装勢力に拉致されました。リビアでは昨年来、移住したエジプトのキリスト教徒が拉致・銃殺される事件が相次いでいます。