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2015年1月5日(月)

リニア 住民合意なし

採算・詳細ルート示さず■騒音は 残土は

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 JR東海が着工に向けた準備作業を始めたリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)。しかし、工事にともなう大規模な環境破壊など問題点は解消されず、住民や自治体の合意もできていないのが現状です。


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(写真)リニア事業説明会につめかけた住民ら=2014年11月7日、岐阜県中津川市

 JR東海は、沿線1都6県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)で開いた事業説明会で、肝心な需要予測や採算性については触れずに、東海道新幹線の大規模改修工事のために“バイパス”が必要だと主張。東京・名古屋・大阪の三大都市圏がリニアによって結ばれ、一つの巨大都市圏になるという財界主導の構想まで持ち出してリニアの売り込みに懸命です。

 一方、課題は置き去りのまま。建設機械の稼働や工事用車両の走行による騒音や振動については「各規制基準をできるだけ順守する」、7割が「未定」となっている残土の処分先についても「適正に利活用するよう調整する」との説明にとどまっています。

 国土交通省は、昨年10月の建設認可に際して、地域住民等に“丁寧に説明”するよう同社に求めていました。ところが、参加者に詳細なルート図や詳しい資料は配られず、担当者が次々とスライドで説明するだけ。「何軒の家が移転対象になるのか」「1日に何台の工事用車両が通行するのか」などの具体的な質問には「もうしばらくお待ちいただきたい」と回答を保留。1人あたりの質問回数を制限したり、参加者が手を挙げていても途中で打ち切るなど、不誠実な対応に批判の声が上がっています。

 事業説明会に参加したリニア新幹線を考える相模原連絡会の桜井真理さん(59)は「まだ多くの住民が計画の詳細を知らされていないし、住民の意見や疑問に答えるものになっていません。これで地域の人々の合意が得られたとは、到底言えず、着工は認められません」と憤ります。

 12月16日には、リニア新幹線沿線住民ネットワークに参加する住民ら5048人が建設認可の取り消しを求める署名と異議申立書を提出しました。着工を認可した国交省とJR東海の姿勢が問われています。


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