2015年1月1日(木)
シリア協議
反体制派も参加準備
各派“統一ビジョン”合意か
内戦解決に向け
【カイロ=小泉大介】汎アラブ紙アッシャルク・アルアウサト12月30日付は、1月にモスクワで開催が計画されているシリア内戦解決に向けた協議をめぐり、反体制派が参加の準備を進めていると報じました。アサド政権側は出席の意向を表明しており、双方による協議の実現が、現実味を帯びてきました。
在外中心の「シリア国民連合」をはじめとする反体制派諸組織はこの間、エジプトの首都カイロで、アラブ連盟やエジプト政府の関係者らを交えて内戦解決に向けた方策を話し合ってきました。
「国民連合」のハティブ駐カイロ代表はアッシャルク・アルアウサト紙に対し、「内戦の政治的解決を信じるすべての反体制派の間で“統一ビジョン”に関する合意がほぼできあがった。近くカイロで再協議して、さらに内容をつめるつもりだ」と表明しました。
反体制派の協議に出席したエジプトのシュクリ外相も12月28日、「シリア危機は軍事的には解決できず、政治的な解決策こそ重要である」と述べ、この見地での反体制派の統一を後押しする立場を強調していました。
モスクワでの和平協議の計画は、25日にロシア外務省が発表しました。今月20日以降にシリア内外の反体制派代表の意思統一を行い、これに続けてアサド政権代表も加わった協議を実施するというもの。シリア外務省当局者は計画発表の2日後に「政府には予備的協議に参加する用意がある」と述べました。
今年4年目を迎えるシリア内戦は、政府軍と反体制武装組織の戦闘にイスラム過激組織「イスラム国」の台頭が加わり泥沼化を極めています。すでに20万人以上が死亡、人口の半数にあたる約1000万人が内外で避難生活を送るという「人道的破局状況」(国連)に陥っています。