2014年12月12日(金)
機雷掃海で「戦闘行為ない」?
首相、ホルムズ海峡派兵でもごまかし 軍事活動、人命失う危険
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安倍晋三首相は、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」(7月1日)に基づいて、中東・ペルシャ湾ホルムズ海峡での機雷掃海活動に自衛隊を派兵する意欲を示す一方、派兵する場合は「事実上の停戦合意が結ばれている」「戦闘行為がほとんど行われていない」などと説明し、「安全な活動」であるかのように言っています。
しかし、安倍首相自身が掃海活動について「(集団的自衛権行使の)新3要件に適合しているかどうか」で決める、「(新3要件に)当てはまる場合はある」と繰りかえし述べています。これは、武力行使を目的として自衛隊が出動することが前提です。にもかかわらず「戦闘行為がない」などというのはとんでもないごまかしです。
機雷とは水中に設置され、付近を通る船が接触、接近したときに爆発する兵器。いわば“海の地雷”です。その設置は武力行使であり、その除去活動である掃海も停戦前であれば、武力行使です。そもそも掃海活動は、一歩間違えば機雷の爆発で人命を失う危険な軍事活動です。
安倍首相は「掃海艇は木でできているので、そもそも戦闘行為が行われているところには行かない」などとも言います。
掃海艇が木製やプラスチック製であるのは、金属に反応して機雷が爆発することを避けるためで、活動地域で戦闘が行われるかどうかとは関係はありません。実際、米軍は掃海活動中に武力攻撃を受けるとして、海上や空からの攻撃に応戦する訓練を常に繰り返しています。
特にホルムズ海峡は狭いところで幅が30キロほどしかなく、地上からの攻撃を受ける危険が高い―。元自衛官でイラク先遣隊長だった自民党の佐藤正久議員は参院予算委集中審議(7月15日)で、掃海活動について「機雷がまかれ、その敵の沿岸部に敵砲兵等が展開し、その射程下にあるときはやりにくい」と述べ、「ただし、ある程度沿岸部が制圧され、機雷掃海する場所が敵の砲迫の射程外になった場合、たとえ内陸の方で一部戦闘が継続して停戦の前であっても」掃海はできるとし、戦闘と一体で掃海活動が行われることを認めています。
「閣議決定」を強行し、ウソとごまかしの説明で戦争への道を突破しようとする勢力に審判を下さねばなりません。