2014年12月11日(木)
秘密保護法、施行 反対世論押し切る
行政機関が保有する情報を、行政機関の長が広く秘密指定し、秘密を漏らした公務員や民間人に最高懲役10年の厳罰を科す秘密保護法が10日、施行されました。同法は昨年12月、国民の6割が反対し、法曹界やマスメディアから強い反対の声が上がる中、これを無視して安倍政権が強行しました。
同法は、「防衛」「外交」「特定有害活動防止」「テロ防止」の4分野について、行政機関の長(大臣など)が「特定秘密」を指定すると規定。何が秘密かも「秘密」です。10月に策定された運用基準では、自衛隊装備品の性能や外交交渉、衛星が収集した情報など55項目を秘密事項の対象として列挙。軍事情報保護を目的とする9条違反の立法であることが一層明確になっています。
秘密を指定する機関は、国家安全保障会議(日本版NSC)、外務省、防衛省、警察庁など19機関とされました。
秘密指定は5年ごとに延長が可能で、30年を超える場合は内閣の承認が必要。原則として最長60年まで認められますが、武器や暗号、「政令で定める重要情報」など7項目は例外としています。
同法は、報道機関の取材活動について「違法、著しく不当でない限り正当な業務」としていますが、秘密を知ろうとすること自体を処罰する前提自体、報道の自由に対する脅威となります。
内閣のもとに「内閣保全監視委員会」、内閣府に「独立公文書管理監」などが置かれ、これが「チェック機関」といわれますが、行政機関の自己チェックにすぎません。特定秘密を扱う公務員と民間人に対しては、家族構成や犯歴、経済状況など身辺を調べる「適性評価」が実施されます。