2014年12月10日(水)
秘密保護法施行 重大な人権侵害の危険
違憲立法は廃止しかない
10日に施行される秘密保護法では、外交、防衛、テロ、特定有害活動など広範な行政情報を、各行政機関の長が「安全保障に支障がある」と判断しさえすれば、「特定秘密」に指定できます。
恣意的拡大
政府の都合しだいで、好き勝手に情報が国民の「知る権利」から遮断されます。憲法9条のもとで許されない「軍事」情報を秘密とする、「海外で戦争する国」づくりと一体の軍事立法です。
安倍政権は、秘密指定の範囲が恣意(しい)的に拡大するという批判に対し「独立公文書管理監」「保全監視委員会」などの設置を持ち出しましたが、これらは内閣と首相の下に置かれるもので“自己チェック”にすぎません。安倍首相も「政権交代でチェックする」とするなど、法律の中に恣意的運用をチェックする仕組みがないことを「自白」しています。
広範な処罰
秘密を漏えいした公務員に最高懲役10年の厳罰を科します。さらに、秘密を得ようとする国民やメディアの行為について、公務員を唆す(教唆)、秘密を得ることを計画する(共謀)、不特定多数に呼びかける(扇動)だけで、最高で懲役5年とするなど、非常に広範囲の国民の活動を処罰対象とします。
計画だけで処罰するのは「思想は処罰しない」という刑法の根本原則にも抵触するもので、共謀罪の導入は見送られてきました。秘密保護法で一気に突破しています。
「適性評価」
「適性評価」の名の下に、特定秘密を取り扱う者の思想・信条、プライバシーを調べ上げる仕組みが作られます。公務員だけでなく、国から事業を受注し秘密の提供を受けた民間企業やその下請け企業で働く労働者、派遣労働者も調査の対象にされます。社会全体が軍事化されていくことを前提に、膨大な秘密管理システムをつくりあげるもので、アメリカの強い要求が背景にあります。
調査はその家族や父母、子ども、兄弟、配偶者の親族、同居人も対象とします。多くの国民が重大な人権侵害の危険にさらされることになります。
国民の目、耳、口をふさぐ違憲立法は廃止しかありません。