2014年11月29日(土)
奨学金借り入れた大学院生
総額300万円超が半数
全院協調査 国に拡充要請
全国大学院生協議会(全院協)は28日、大学院生の経済実態に関するアンケート調査を踏まえて、文部科学省に対し高等教育の漸進的無償化、経済的支援の抜本的拡充、国立大学運営費交付金と私学助成の拡充などを要請しました。
アンケート調査は今年6月から8月にかけて実施し、82国公私立大学の1000人から回答を得ました。回答者の約6割が奨学金を借りており、その半数は総額が300万円以上におよびます。10人に1人は700万円以上の借り入れを背負っていました。1000万円を超える院生もいます。(グラフ)
2012年、日本政府は高等教育の漸進的無償化を定めた「国際人権A規約第13条2項(C)」の留保を撤回しました。ところが、高等教育や学術研究に対する予算は拡充されず、大学院生への経済支援や研究環境保障は未整備のままです。
日本には公的な給付制奨学金がありません。返還免除制度もきわめて限られており、有利子が4分の3を占め、返済には大きな困難がともないます。返済に対する不安の有無では「かなりある」が43%、「多少ある」が31・7%でした。
52・6%がアルバイトをしており、その9割が「生活費・学費(研究費を含む)をまかなうため」です。研究時間が十分確保できない要因の最多は「アルバイト」(25・5%)でした。
収入不足による研究への影響では、「研究の資料・書籍を購入できない」(42・6%)、「学会・研究会にいけない」(25・4%)、「調査にいけない」(24・1%)と続きました。
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