トンネル献金は脱法行為

参院倫理選挙特別委　井上氏が批判

（写真）質問する井上哲士議員＝17日、参院倫理選挙特委

　日本共産党の井上哲士議員は１７日の参院倫理選挙特別委員会で、江渡聡徳防衛相の政党支部が政治団体の届け出をしていない団体から年間３００万円の寄付を受け取っていた問題を取り上げ、“脱法行為”だと批判しました。

　江渡氏の政党支部は、政経福祉懇話会という団体から毎月２５万円、２００２年以降通算で３２８５万円の寄付を受けています。同懇話会は江渡氏の「支援企業の会」（同氏ホームページ）ですが、政治団体の届け出をしていません。

　井上氏は、政治資金規正法では、政治団体が届け出をしないで寄付をすることを禁止していると指摘。同法では、特定候補の推薦・支持を主たる活動として組織的・継続的に行う団体を政治団体としていることもあげ、「（同懇話会は）規正法の定める政治団体にあたるのではないか」とただしました。

　総務省の稲山博司選挙部長は「政党への寄付でただちに政治団体となるのではなく『主たる活動』かどうかが問題」と述べ、政治団体にあたる場合もあることを認めました。

　井上氏は、懇話会などの任意団体をトンネルにすれば、企業名を明らかにせず政治献金ができると指摘。「政治活動の公明・公正を確保するという法の趣旨に反している。何らかの法規制が必要だ」と強調しました。高市早苗総務相は「各党各会派で議論されること」と答えました。