2014年11月5日(水)
論戦ハイライト
参院予算委員会 仁比議員の質問
国民と情報を共有し、透明性を確保する―。秘密保護法を強行成立させた後、こう豪語した安倍晋三首相。4日の参院予算委員会で、日本共産党の仁比聡平議員がその欺まんを暴き、「何が秘密かも秘密」で、チェックも何ら利かない運用実態がはっきりしました。
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仁比 “沖縄新基地計画の全体像を隠すな”
首相 “協議を公表しないのは当然のことだ”
仁比氏が示したのは、2008年に作成された米政府内部文書です。
それによると、沖縄の辺野古新基地建設では、V字形滑走路や駐機場、格納庫、燃料施設、弾薬搭載エリアにとどまらず、辺野古ダム周辺では、政府の環境影響評価(アセスメント)申請書にまったく記されていない、30棟以上の兵員宿舎や二つの運動場など数多くの米軍関連施設の建設が計画されています。
仁比 米側と協議しているのか。
江渡聡徳防衛相 移設後は、米軍キャンプ・シュワブ内に約4900人が居住する。必要な兵員宿舎は、既存施設の再配置で整備する計画だ。辺野古ダム周辺地域での施設整備や、環境アセスの実施に向けた協議を行った事実はない。内部文書は承知していない。
全否定した政権側に仁比氏が突きつけたのは、米軍内部文書「普天間代替施設の検討コメント」(06年4月)と、米太平洋海兵隊基地司令部の文書「2025 戦略展望」です。
そこでは「日本政府と議論した」(検討コメント)、「現在の2国間のマスタープランには家族住宅の建設は含まれていないものの、米軍再編実施のための合意が承認されたときにはその問題は認識されていた」(戦略展望)とはっきり記しています。
仁比 協議をしてきたからこそ、認識されたのではないか。国はオスプレイ配備も隠してきた。米側との協議経過や図面を全部明らかにすべきだ。
安倍首相 協議の中身についていちいち公表しないのは当然のことだ。
仁比 重大な安保政策にもかかわらず、地元にも国会にも知らせないで進めることは許されない。
仁比 “指定秘密のチェックどこが重層的か”
首相 “国民から選ばれた議員が選んだ私がチェックする”
政府が個々の秘密の提供を受けてチェックする具体的な機関とする保全監視委員会と独立公文書管理監。仁比氏の質問にたいし、上川陽子担当相はまともに答弁できませんでした。
仁比氏は保全監視委員会について、国家安全保障会議など内閣官房の秘密の場合、「総理が指定した秘密を総理がチェックするということだ」と指摘。また、何のチェックにもならないと批判され、昨年末の強行採決間際に出てきた独立公文書管理監の問題点も浮き彫りにしました。
仁比 あなたが指定した秘密を、あなたが任命した人間がチェックするものになる。これが重層的なチェックなのか。
首相 国民から選ばれた国会議員に選出された私が国民の立場に立ってチェックする。
苦しまぎれの答弁が通用しなかったのが分かったのか、首相は「形式上は首相が(秘密を)指定する」などと矛盾点を認めました。
仁比氏は「首相の答弁で国民の不信はいっそう広がった」「結局、総理が言っているのは、秘密の隠し方のルールの話だ。問題は、チェックもされないし、国民にも国会にもその情報が出てこないことだ」と追及しました。
仁比 内閣法制局長官さえ意に沿う人物にすげ替えたのが首相だ。政府に都合の悪い秘密は何でも国民に隠し続けようとする。それが秘密保護法の本質だ。断固、廃止しかない。
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