2014年10月4日(土)
普天間 16年度まで補修
「5年内停止」どころか強化
防衛省概算要求
|
防衛省が2015年度の概算要求に、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の補修費12億2400万円(歳出ベース)を盛り込み、少なくとも16年度まで継続する方針であることが、3日までに同省への取材で分かりました。安倍政権は19年2月を期限に同基地の「5年以内の運用停止」を図る考えを示していますが、5年のうち3年を基地の継続使用を前提とした事業方針を示したもので、基地の運用強化を思わせる逆行ぶりです。
政府は普天間基地を名護市辺野古に「移設」する方針であるため、過去10年間(02〜12年度)に日本が負担した補修費は5400万円にとどまっていました。しかし、県民のたたかいで辺野古の新基地建設が阻止されてきたため、米側が普天間補修費を出すよう要求。民主党政権下の13年度から補修費の計上が再開され、安倍政権が加速させています。
補修は(1)管制塔・消防署用の非常用発電施設(2)給電設備(3)雨水排水施設(4)汚水排水施設(5)隊舎の改修―を行うもので、在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)の提供施設整備費(FIP)を充てます。
菅義偉官房長官は9月17日、沖縄知事選(11月16日投票)での仲井真弘多知事3選を後押しするため、仲井真氏が求める「5年以内の運用停止」について19年2月を期限にして取り組む考えを示しました。
しかし、現行の日米合意で普天間基地の返還時期は、新基地完成後の「22年度またはその後」と明記しています。米軍は新基地の完成まで普天間を継続使用する考えを繰り返し示しています。
補修費の計上は普天間基地の能力強化につながり、同基地の「危険性の除去」や「固定化の回避」にも逆行します。普天間の基地強化と辺野古新基地建設を同時に進めることになり、県民世論への二重の背信行為です。
|