2014年9月25日(木)
国連が気候変動サミット
「大胆な行動が必要」で合意
温暖化ガス削減目標 日本は提出時期示さず
【ニューヨーク=島田峰隆】世界各国の首脳が地球温暖化対策を話し合う国連主催の気候変動サミットが23日、ニューヨークの国連本部で開かれました。会議には100カ国の首脳のほか、金融機関や民間企業、市民社会の代表らが出席しました。
|
国連の潘基文(パンギムン)事務総長がまとめた議長総括は、参加者が温室効果ガスの排出削減目標や途上国への資金提供などに触れたことを歓迎。「世界の指導者は、大胆な行動が必要だという点で合意した」「すべての約束を実行し、イニシアチブを強めなければならない」と強調しました。
各国は2015年末までに、途上国も含めたすべての国が参加する2020年以降の枠組み合意を目指しています。各国はそれぞれの目標を来年3月ごろに国連へ提出することが奨励されており、その目標案の提出時期が注目されています。
欧州連合(EU)は「2030年までに1990年比で40%削減」という案を10月にも決めると表明。オバマ米大統領も「来年の早い時期までに次の削減目標を据える」と表明するなど、積極的な姿勢を示しました。
一方、安倍晋三首相は「日本はできるだけ早期に提出することを目指す」と述べるにとどまり、具体的な時期には言及しませんでした。
排出量は世界第5位
責任重い日本
気候変動首脳会合(気候サミット)で、安倍首相は2020年以降の温暖化ガス削減の自主目標について、取りまとめの時期の言及を避けました。
日本政府は原発再稼働を狙う一方、その反対世論を前に、エネルギーの計画で火力、原発などの配分の数値を決めていません。福島原発事故が示したように原発は人類と相いれません。原発ゼロと再生可能エネルギーの飛躍的拡大を決断し、温暖化ガス削減目標を決める検討が急がれます。
目標提示は来年3月までが一つの区切り。来年末にパリで開く気候変動枠組み条約締約国会議での枠組み合意に向けたものです。今回の気候サミットもその機運を高めることにありました。
今回のサミットでは、世界最大の排出国・中国が総排出量を「できるだけ早く頭打ちにする」と述べて、英国放送協会(BBC)が「中国の初の約束」と伝えるなど、新しい動きが出ています。
排出量世界第5位の日本の責任は軽くありません。 (小玉純一)