2014年9月18日(木)
小渕経産相 第3の“財布”
企業・団体献金2758万円
自民党群馬県ふるさと振興支部
第2次安倍改造内閣で2度目の入閣をした小渕優子経済産業相(衆院群馬5区)に、資金管理団体、みずからが代表を務める「自民党群馬県第5選挙区支部」とは別に、第3の“財布”ともいうべき政党支部の存在が本紙の取材で明らかになりました。
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選挙区支部と分担してカネ集め
この政党支部は、「自民党群馬県ふるさと振興支部」。群馬県選管への報告などによると、父親の故小渕恵三元首相の関連政治団体「恵友政経懇話会」(同県高崎市)と同じ場所に「主たる事務所」を置いて、1995年7月に設立されました。事務担当者は、同県中之条町の「小渕恵三後援会」と同じ場所に事務所を置いた「群馬振興研究会」の会計責任者と同一人物で、事実上、小渕元首相の関連支部でした。
小渕優子経産相は2000年6月の総選挙で父親の跡を継いで初当選。ふるさと振興支部の「主たる事務所」はその後、前橋市を経て、09年12月に高崎市内に移りましたが、現在の同支部関係者も本紙の取材に「小渕経産相の政治団体だ」と認めました。
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12年末の総選挙での小渕優子候補の選挙運動費用収支報告書によると、収入1654万円のうち、事務所無償借り上げ、労務無償提供を除く実収入1500万円は、第5選挙区支部1000万円、ふるさと振興支部500万円。全額、両支部の寄付で選挙をたたかったことになります。
12年分の政治資金収支報告書によると、第5選挙区支部が東京、大阪など県外企業も含め1480万円の企業・団体献金を集めたのに対し、ふるさと振興支部は群馬県内の企業が大半で2倍近い2758万円の企業・団体献金を集めています。このうち、500万円を小渕候補の陣中見舞いに回したほか、選挙区内の自民党県議の支部に各50万円、計400万円を寄付しています。(図参照)
一方、小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」と、「小渕優子後援会」はそれぞれ2000万円を超す資金集めパーティーを開催していますが、記載義務のある20万円超のものがなく、購入先はいっさい不明。形を変えた企業・団体献金の可能性があります。
第5選挙区支部が、自民党本部から受け取っている1775万円は、すべて政党助成金(税金)でした。
小渕優子後援会も含め、未来産業研究会、両政党支部の4団体間のやりとりを除くと、小渕氏は、1年間で約1億2000万円の実収入を上げていました。うち、1億1141万円は、企業・団体献金、政治団体からの寄付、税金、パーティー券収入でした。
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