2014年8月16日(土)
首相、「加害」「不戦」再び削除
終戦記念日 「靖国」に玉串料奉納
69年目の終戦記念日の15日、安倍晋三首相は、昨年に続き過去の日本の侵略戦争を正当化する靖国神社(東京・九段)に玉串料を奉納しました。また、都内の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式の式辞では、歴代首相が表明してきたアジア諸国への「加害」の反省や「不戦の誓い」を昨年に続き表明せず、歴史逆行の姿勢を改めて強く示しました。
3閣僚が参拝
首相は昨年の式辞で、2007年に自ら述べた「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え、深い反省と追悼の意を表する」という表現を用いず、歴代首相が使っていた「不戦の誓い」を削除し、厳しい批判を受けました。さらに昨年末には現役首相として靖国神社参拝を強行し、アジアだけでなく全世界から厳しい批判を受けました。
批判を省みず今年の式辞でも同じ態度を繰り返す一方、安倍首相は「歳月がいかに流れても、私たちには変えてはならない道があります。今日は、その平和への誓いを新たにする日」などと述べました。
玉串料は、昨年来「首相側近」として代理奉納を続けている萩生田光一・自民党総裁特別補佐を通じて、党総裁の肩書で私費で神社に納めました。
靖国神社には新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行政改革担当相の3閣僚が参拝。衛藤晟一首相補佐官も参拝しました。
集団参拝では自民、民主、維新、次世代、生活など与野党の国会議員194人(代理含む)が参拝しました。
首相が靖国神社に玉串料を納め、閣僚が参拝したことに中国外務省は「断固反対する」、韓国外務省は「嘆かわしい気持ちを禁じ得ない」と非難するコメントを発表しました。
「玉串」 玉串とは神道で神前に拝礼するときに捧(ささ)げる榊(さかき)などの枝に木綿か紙をつけたもの。靖国神社のオフィシャルガイドブックによると「玉串の玉は人の『魂』、串は常緑の『榊』で、それに願いを託してご神前に捧げる」としているように歴然とした宗教行為です。
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