2014年8月8日(金)
「慰安婦問題は現在の懸案」
国連人権高等弁務官 日本に対応迫る
「歴史の隅に置かれた事案ではなく、現在の懸案だ」―。旧日本軍の「慰安婦」問題に関してピレイ国連人権高等弁務官が6日発表した声明は、日本政府の対応を強く批判しました。国連弁務官が「慰安婦」問題で日本政府の対応を批判するのは初めて。
弁務官は声明の中で、日本政府が「戦時中の性奴隷」への対応を怠り、被害者への人権侵害が今も続いていると表明。「たたかい続けてきた勇気ある被害者が、償いを得られないまま、一人、また一人と亡くなっていくのを見るのは苦痛だ」と述べました。8月末の任期切れを控え、「慰安婦」問題を人権問題として重視している姿勢を示しました。
また、弁務官は、6月に日本政府が公表した河野洋平官房長官談話の検証結果にも言及し、「(検証の後)東京の団体が『慰安婦は戦時売春婦だった』と主張しているが、日本政府は公式に反論していない」と指摘しました。
さらに、日本政府に「包括的で公平、長期的な解決策の追求」を要請。被害者救済など、具体的な対策を早急に講じるよう訴えました。