2014年7月29日(火)
防衛相 オスプレイで視察
小笠原・父島 自衛隊配備の宣伝に
小野寺五典防衛相は28日、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイに搭乗し、東京都小笠原村の父島を視察しました。オスプレイは陸上自衛隊が2015年度から配備する計画。離島での「災害救助」や「急患輸送」などで同機の導入を正当化する狙いです。
小野寺氏は埼玉県の入間基地から自衛隊機で硫黄島に移り、硫黄島と父島をオスプレイで往復しました。また、同機は27日にも父島での飛行が確認されています。
父島で森下一男村長と会談した小野寺氏は、「急患輸送の任務を速やかにできる態勢をつくりたい」と述べました。
小笠原村議会では3月26日、急患輸送でのオスプレイ使用を求める決議を4対3で可決しました。本土から1000キロ以上離れている同村では、年間30人前後、急患輸送を自衛隊に依頼しています。
ただ、自衛隊による小笠原村からの急患輸送は厚木基地(神奈川県)所属部隊が羽田空港などに搬送していることから、オスプレイを小笠原での急患輸送に使用するためには、同機を首都圏に常駐配備する必要があります。
しかし、防衛省はすでに、導入を計画している17機すべてを佐賀空港に配備する方針を表明しています。
また、オスプレイは離着陸時に台風なみの風速40メートルもの下降気流を発生させます。周囲の物や人を吹き飛ばすおそれがあるため、どこでも離着陸できるわけではありません。
小野寺氏の今回の視察は、小笠原村議会の決議を悪用して、オスプレイの宣伝に利用しただけです。決議に賛成した同村の議員も、国に利用されただけだということを思い知るべきです。