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2014年7月18日(金)

秘密法の運用素案

「運用で歯止め」は不可能

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 政府が秘密保護法の政令と運用基準の素案を公表しました。素案は、7人の有識者で構成する「情報保全諮問会議」の議論を経たものですが、議論の進め方の点でも、中身の点でも、秘密法の欠陥を克服するには程遠いもので、運用で「歯止め」をかけることは不可能であることを示しました。今後これらのパブリックコメント(意見公募)が実施されるなど、施行に向けた政府側の動きが加速します。

国民不在の半年

 安倍晋三首相は「諮問会議」の開催にあたり、「国民の不安を払しょくしたい」とあいさつしていました。しかし、第2回会合までの6カ月間、正式の会合は一度も開かれることなく、政府側と個別の委員との水面下の意見交換が続いてきました。

 政府は17日の会合後、この間の委員との意見交換の全容を初めて公表しました。首相の言明とは裏腹に、国民的な議論を経ることなく運用の骨格が議論されてきた経過は否定できません。

抜け穴盛り込む

 素案には、秘密法の欠陥をふさぐどころか、新たな“抜け穴”とみられる内容まで盛り込まれています。

 秘密法は、秘密文書の廃棄に全くふれていませんでしたが、政令素案は「奪取その他の事態」で漏えいのおそれがある場合に、秘密を秘密のまま廃棄することを認めています。

 また、「別表」(秘密指定リスト)も55の「細目」に具体化され、限定されたようにみえるものの、「防衛」の分野では自衛隊だけでなく、米軍関係の情報も対象とする文言が新たに加わっています。

 素案で定められなかった“抜け穴”もあります。60年以上秘密にできる重要情報を「政令で定める」と秘密法は定めていますが、政令素案はこの点について規定していません。また、30年以上秘密にする場合も「判断は特に慎重に行う」とするのみで、何ら基準を示していません。

 広範な国政情報を永久に国民に隠し、場合によっては廃棄できるという仕組みはそのままといえます。

 近く政府が実施するパブリックコメントは、施行前に国民が意見を述べる最後の機会になる見通し。国民の世論と監視で希代の悪法の施行を中止させることが必要です。

秘密を指定する19行政機関

 ▽国家安全保障会議▽内閣官房▽内閣府▽国家公安委員会▽金融庁▽総務省▽消防庁▽法務省▽公安審査委員会▽公安調査庁▽外務省▽財務省▽厚生労働省▽経済産業省▽資源エネルギー庁▽海上保安庁▽原子力規制委員会▽防衛省▽警察庁


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