2014年6月18日(水)
砂川事件 再審を請求
元被告ら “公平な裁判でなかった”
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旧米軍立川基地(東京都)の拡張に反対するデモ隊の一部が基地内に立ち入ったとして起訴された砂川事件(1957年)の元被告ら4氏が17日、東京地裁に再審請求を申し立てました。一審無罪判決を破棄した最高裁判決と、差し戻し後の有罪判決が「公平な裁判所」(憲法37条)の裁判ではなかったとして、再審の開始と免訴判決を求めています。
請求したのは元被告の土屋源太郎、椎野徳蔵、武藤軍一郎の3氏と元被告の故坂田茂氏の長女・和子氏です。
砂川事件最高裁判決をめぐっては2008年以降、国際問題研究者の新原昭治氏らが入手した一連の米政府解禁文書から、田中耕太郎最高裁長官(当時)が一審無罪判決後、3回にわたって一方の当事者である米国大使や公使と非公式に会談し、裁判の時期や見通しを伝えていたことが明らかになっています。
今回の再審請求ではこの事実をもとに、訴訟手続きに憲法違反があったと主張。差し戻し後の東京地裁は本来、免訴判決で裁判を打ち切るべきところ、有罪判決を出したのは「誤判」だとしています。
記者会見した元被告らは「(政府・与党は)集団的自衛権の法的根拠に砂川事件最高裁判決があると言う。再審請求は安倍首相への抗議行動の一環だ」(土屋氏)と強調しました。