2014年5月30日(金)
集団的自衛権行使の6条件
井上議員 半分は一般要件 憲法縛りなくなる
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日本共産党の井上哲士議員は29日の参院外交防衛委員会で、安倍晋三首相の私的諮問機関(安保法制懇)の報告書が提言した集団的自衛権行使の6条件(表)について、半分は国際法上の一般要件にすぎず、憲法上の縛りがなくなり、時の政権の判断次第で限定のない行使につながると追及しました。
岸田文雄外相は6条件のうち(1)、(3)、(4)について「国際法上の要件について指摘されたものだ」と認めました。
井上氏は、残りの集団的自衛権行使3条件についても、国会の多数派を占める政権が「日本の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある」と判断を下せば、行使が可能になると指摘。安保法制懇報告書が示した6条件は、大国が侵略・介入の口実として行使してきた集団的自衛権の要件と変わらないと批判しました。
さらに井上氏は、報告書が「日米同盟の信頼が著しく傷つく」との理由で集団的自衛権行使を認めていることに言及。米国の武力行使に日本政府は過去一度も反対したことがないと指摘しました。
岸田外相は「(米国の)グレナダ派兵、パナマ介入の際に『遺憾』を表明した」と弁明。これに対して井上氏は「グレナダでは米国の侵攻を批判する国連決議に日本は棄権し、パナマでは反対した」と反論。米国の派兵要請を拒否できるのかと迫りましたが、安倍首相は明確な答弁を避けました。