2014年5月10日(土)
「侵略美化の教科書採択させる狙いだ」
宮本議員、教委改悪法案を告発
衆院文科委
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日本共産党の宮本岳志議員は9日の衆院文部科学委員会で、教育委員会改悪法案について「侵略戦争美化の教科書を採択させるのが狙いだ」と告発しました。
宮本氏は、安倍晋三首相や下村博文文科相も属していた「日本の前途と歴史教育を考える会」が「(南京大虐殺は)通常の戦場以上でも以下でもない」「(『慰安婦』は)単なる売春行為」と述べ、首相が教育基本法に最適だとする育鵬社の歴史教科書の執筆者が「南京事件は教科書で教えない方がいい。教育基本法がいかされていない」と述べていることを指摘。南京大虐殺や日本軍「慰安婦」問題を記述した教科書が教育基本法に反しているのかと質問しました。
外務省は南京大虐殺について「非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できない」と認め、文科省も「慰安婦」制度への旧日本軍の関与を認めた河野談話をあげ「教科書検定もこうした考えをふまえている」「教育基本法に基づいて検定し合格している」と述べました。下村氏も河野談話について「文部科学大臣として政府の見解を継承します」と答えました。
そのうえで宮本氏は、検定に合格した教科書を下村氏が「(愛国心を盛りこんだ改定)教育基本法に則った記述になっていない」(『WiLL』4月号)と批判していることをとりあげ、「撤回すべきだ」と追及しました。
下村氏は「教科書は教育基本法に則っている」と認めたものの、「日本の教科書は陰の部分のみが強調されている」と述べ、矛盾した態度をとりました。
宮本氏は、教科書への圧力は偏狭な「愛国心」を押し付けるためだとし、「歴史を偽れば、そこから生まれる愛国心も偽りだ」と批判しました。