2014年5月1日(木)
差別・偏見 解消めざして
ハンセン病「重監房資料館」オープン
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国による過酷なハンセン病強制隔離政策の事実を掘り起こし、資料の収集と調査・研究を通して、ハンセン病への差別や偏見の解消をめざす重監房資料館が30日オープンし、開館記念式典が行われました。
同記念館は、群馬県草津町の国立療養所栗生楽泉園(くりう・らくせんえん)に隣接しています。式典には、厚生労働副大臣ら政府・自治体関係者、全国ハンセン病療養所入所者協議会はじめ全国の療養所関係者らが多数出席しました。
同協議会会長代理として佐川修氏が来賓あいさつし「なぜ、重監房が存在したのか。日本のハンセン病にたいする強制隔離、撲滅政策の象徴です」と強調。自身が15歳の時に重監房収監者に食事を運んだ体験にも触れながら、入所者を威圧するために使われた同施設の役割を紹介。「二度とこのようなことが起こらないよう、語り継いでいってほしい」と訴えました。
楽泉園入所者自治会の藤田三四郎会長が「人権研修センターとして、資料館に国内外から多くの方が訪れてほしい」と期待を語りました。
式典の前後には内覧会が行われ、参加者は復元された重監房や再現映像、犠牲者の資料などに見入っていました。
重監房 1938年に設置されました。93人が収監され、施設内で15人が、退室後1年以内に8人の計23人が亡くなっています。冬は零下十数度にもなる極寒のなか、床板に薄い布団1組という過酷さでした。戦後、権利回復をめざす入園者らのたたかいのなか、53年に壊されました。谺(こだま)雄二さんら元患者や研究者の呼びかけで、復元を求める動きが広がりました。