2014年4月15日(火)
DHCマネー みんな・結い 説明責任
12年総選挙 供託金? 活動費?
化粧品会社「DHC」の吉田嘉明会長からの8億円もの巨額借り入れ問題で、みんなの党の渡辺喜美前代表が辞任したことを受け、浅尾慶一郎幹事長(50)が新代表となりました。浅尾氏は、「いままでの政策を継続するのは当然だ」と、安倍政権との連携を重視した渡辺氏の路線を継承する考えを表明していますが、同党には首のすげかえではすまない問題が―。
2012年12月4日公示の総選挙(12月16日投票)の直前の11月21日、渡辺氏は吉田会長から5億円の借り入れをしています。
渡辺氏は、11月末ごろ、2億5000万円を、みんなの党本部に貸し付け、「お金に色はついていないけれど、いろんな選挙関係費に使われたのは事実」(7日の辞任会見)と話しています。
みんなの党は、この選挙で、69人を擁立、18人が当選。同党の12年分の政治資金収支報告書によると、11月28日、30日、12月3日の3回に分けて計2億1600万円の供託金が東京法務局(国)に納付されています。
吉田会長は「(貸付金の)大半は供託金に充てられたのではないか」との見方を示し、渡辺氏が「供託金だけでもかなりかかる」と話していたことを紹介しています。
“DHCマネー”が、みんなの党の衆院選候補の供託金となった可能性が指摘されています。
一方、同党の政治資金収支報告書には、吉田会長から渡辺氏が5億円を借りた11月21日に、計39人の候補者の支部に計2億2000万円の「組織活動費」が交付されています。大半が500万円ですが、渡辺氏は2回にわたって計1500万円、党幹事長だった江田憲司「結いの党」代表には1000万円と幹部は優遇。翌22日には浅尾政調会長(当時)にも1000万円。
衆院解散(11月16日)後、投票日直前の12月12日までの間に、計66人の候補者の支部に総額3億7120万円の「組織活動費」が配られていました。
みんなの党には、7月20日と10月19日に、各約2億8000万円の政党助成金が国から交付されており、この組織活動費の原資は、国民の税金である政党助成金です。
結局、みんなの党の総選挙資金は、“DHCマネー”と税金でまかなわれたことになります。
吉田会長からの借金の一部を渡辺氏が「党勢拡大に資するため」に候補者に配った場合、各候補者には選挙運動費用収支報告書に記載する義務があります。
みんなの党が、浅尾氏、江田氏はじめ、18ある小選挙区のうち、13選挙区に候補者を立てた神奈川県。各候補者の選挙運動費用収支報告書を調べてみると、みずからの支部からの寄付は記載があるものの、渡辺氏や党本部からの寄付の記載はいっさい、ありません。
渡辺氏だけの問題だとして、辞任を求めてきた浅尾氏や、江田氏を含め、みんなの党公認で立候補した政治家には、現在の所属が「みんな」であれ、「結い」であれ、説明責任があります。
江田氏に450万円 DHC会長
「結いの党」の江田憲司代表が、みんなの党の渡辺喜美前代表に巨額資金提供をしていた化粧品会社「DHC」の吉田嘉明会長から450万円の献金をもらっていたことが本紙の調べでわかりました。
江田代表の関連政治団体「江田けんじフォーラム21」の政治資金収支報告書によると、吉田会長は2010年10月、11年1月、12年1月に、それぞれ個人の政治団体への献金限度額の150万円、計450万円を献金していました。
江田氏は、09年8月、渡辺氏とともに、みんなの党の結成に参加しましたが、昨年12月、離党届を提出、結いの党を結成。今回、渡辺氏の8億円借り入れが発覚後、みんなの党の政治資金について、「ブラックボックスの中に入っていた。渡辺氏の独断による差配は問題だと党改革を提言してきた」などと批判しています。
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