2014年4月5日(土)
私立大新入生 親の仕送り過去最低
東京私大教連が調査
生活費 1日937円
首都圏の私立大学に通う新入生の仕送り額が過去最低を更新したことが4日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の「2013年度私立大学新入生の家計負担調査」で明らかになりました。
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調査は今年で29回目です。昨年5月〜7月に1都5県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)の15大学・短大へ入学した、新入生の保護者を対象に実施。5048人が回答しました。
入学直後の出費が落ち着く6月以降の自宅外通学生への平均仕送り額は8万9000円で、前年度より500円減りました。調査開始以来の最低額を更新しました。
仕送り額から家賃を引いて、30日で割った1日の生活費は、平均937円。調査を開始して以来初めて1000円台を割り込んだ前年度に引き続く低水準となりました。これは過去最高額だった1990年(2460円)の4割に満たない額です。
下宿生など自宅外通学者の「入学の年にかかる費用」は平均294万円で、税込み収入の32・6%を占める負担です。受験から入学までの費用の「負担感」は9割を超える家庭が「重い」と回答しました。
記述欄には父母の切実な思いが寄せられています。
「学費捻出のため、預金をする余裕がない。食費を削ってどうにか毎日をしのいでいます」(東京家政学院大学)
「親の収入の違いで、子どもが20年近く奨学金を払っていくのは、気持ちが重くなる」(獨協大学)
「授業料のために働き、体を無理している。はやく助成が増えるよう希望します」(東京経済大学)
同日文部科学省で会見した私立大学の教職員は「学生が真っ先に削るのは食費。食堂の利用が減って、弁当の持ち込みが増え、バランスの取れた食事が難しくなっている」「一大学の努力だけで学費をサポートするのは厳しい。給付や減免などへの政府の援助が求められている」と現場の実態を紹介。
政府に対し、学費負担の大幅軽減と私大助成の増額を求める請願署名にとりくむとしています。
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