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2014年3月24日(月)

職業訓練事業 天下り先に入札便宜

厚労省 事前情報・公示を操作

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 2013年度補正予算に盛り込まれた職業訓練事業をめぐって、“身内”の天下り法人に落札させるために、厚生労働省が入札公示前に情報を流していたことが判明。官製談合ではないのか、との指摘もあがっています。


写真

(写真)中央職業能力開発協会(JAVADA)が入居するビル=東京都新宿区

 厚労省は、失業者らを支援する「短期集中特別訓練事業」の予算(約149億円)を基金にして、同省所管の特別民間法人「中央職業能力開発協会」(JAVADA、東京都新宿区)に管理を委託。さらに同協会から業務委託の形で、今回、同省所管の独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」(JEED、千葉市美浜区)が20億円で落札しました。

2次会まで飲食

 厚労省が職業能力開発局長名で、同事業の入札(企画競争)をホームページ(HP)に公示したのは2月19日のことです。

 ところが、この公示に先立って、次のような動きが―。

 厚労省によると、同局の担当職員らは、上司の決裁を待たずに2月17日、HPに翌日入札を公示するよう手配。各省庁で入札時の条件に多く用いられる「全省庁統一資格」を条件に指定しました。しかし、HPを見たJEEDから「資格がないので今回は参加が難しい」などの連絡があり、同日午後、公示を削除し、19日にこの条件を外して、再掲載しました。

 応札したのはJEEDのみでしたが、公示前にもかかわらず入札内容の詳細がわかる仕様書の説明を行ったことも判明しています。

 12日の衆院厚労委員会では、訪問した職員とJEED職員が2次会まで飲食をともにしていたことも明らかになりました。また、14日の同委員会では、補正予算決定前の昨年12月9日に同省職員がJEEDを訪れ、「業務の一部を受託してほしい」と依頼していたこともわかりました。

 なぜ、厚労省側がJEED側に、これほど便宜を図るのか。わざわざJAVADAを仲介させるのか―。

 JAVADAは民間法人とはいえ、青木豊理事長(厚労省元労働基準局長)はじめ、9人の役員が天下り官僚です。(表参照)

 2009年以降、JAVADAには緊急人材育成・就職支援基金などで計9950億円もの税金が支給されています。JAVADA理事長の報酬は月93万2600円という高額です。

 JEEDも理事長代理ら2人の役員が厚労省OBです。

贈収賄事件発覚

 JEEDをめぐっては、昨年11月、贈収賄事件も発覚しています。

 大阪市のNPO団体が求職者への職業訓練講座の出席者を水増しして、国の求職者支援制度の職業訓練受講交付金と認定職業訓練実施奨励金計約1億8000万円を不正に受給したとして逮捕・起訴された事件です。JEEDの元嘱託職員はNPO側に抜き打ち検査の日付を漏らした見返りに現金54万円を受け取ったとして、起訴されています。

 厚労省予算を“身内”で回しあい、食いものにしている露骨な癒着の構図が浮き彫りになっています。

■高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の天下り役員

理事長代理
↑厚労省大臣官房付
理事
↑厚労省大臣官房付

■中央職業能力開発協会(JAVADA)の天下り役員

理事長
↑厚労省労働基準局長
常任理事
↑厚労省職業能力開発局育成支援課長
常任理事
↑特許庁総務部長
常任理事
↑経産省製造産業局伝統的工芸品産業室長
常任理事
↑経産省大臣官房審議官
理事
↑国交省河川局次長
理事
↑国交省官房付
理事
↑経産省産業技術環境局産業基盤標準化推進室長
理事
↑経産省経済産業政策局調査統計部統計情報システム室長

 《注》両団体のホームページで作成


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