2014年3月6日(木)
教委制度「改革」田村議員の質問
教育介入意に介さず 安倍内閣の危険な姿浮き彫りに
論戦ハイライト
5日の参院予算委員会で教育委員会制度「改革」問題をただした日本共産党の田村智子議員。質問では教育への政治介入に意を介さない安倍内閣の危険な姿が浮き彫りになりました。
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政府与党は、自治体首長の権限を強化する教育委員会制度「改革」案を検討しています。田村氏は、世論調査(「朝日」2月18日付)で75%が「政治家が学習内容をゆがめることに一定の歯止めが必要」と回答していることを紹介しました。
田村 国民の不安が強まるのは当然だ。
安倍晋三首相 (現行教育委員会制度は)いじめ問題に機敏に対処する点で課題がある。権限、責任の所在が明確になる改正を議論している。
田村氏は、滋賀県大津市のいじめ事件で、教育委員会が役割を発揮できなかった要因は、教育委員会のチェック機能が働かず教育長以下事務局の独走を許したことにある(第三者調査委員会の報告)と指摘。「教育長と教育委員長を一体化すれば、チェック機能はさらに弱まる」と反論しました。
確定判決を無視
田村氏は、すでに学校現場への政治介入が行われているとして、高裁判決が確定した都立七生(ななお)養護学校の事例を提示。同判決は、養護学校の性教育に都議、都教委が介入したことを「不当な支配」「人事権の濫用」と断じ、同校の性教育は学習指導要領に違反しないとしています。
田村 こんなこと(政治介入)を学校教育の現場で繰り返してはならない。
下村博文文科相 (七生養護学校で)過剰な、過激な性教育をしているのではないか、という事例があった。
確定判決を無視する文科相に対し、田村氏は「判決を理解していない。性教育は子どもの実態に照らし求められる内容で、学校全体・保護者とともに進められたものだった」と批判しました。
内心をチェック
次に田村氏は、埼玉県での介入問題を取り上げました。
同県議会文教委員会は昨年9月、「自国や郷土に誇りを持てる」とした教育方針に沿わないとした一部議員の求めにより、実教出版の日本史教科書を採択した各高校の校長に採択理由を追及。また、同12月には台湾への修学旅行と平和教育の内容をただすとして県立朝霞(あさか)高校の生徒の感想文を提出させ、内心に踏み込んだチェックまで実施しました。
田村 これが異常だと思わないのか。
文科相 あまり例がないことではある。(政治の)不当な支配ということではない。
田村氏は、これら教育への政治介入が「安倍首相の『教育改革』の方向と重なっていると考えざるをえない」と指摘。育鵬社の教科書出版記念行事のあいさつで安倍首相が、「新しい教育基本法の趣旨をふまえた教科書は育鵬社だ」(11年5月)と侵略戦争を美化する同社版教科書を賛美した事実をあげ、「これが『教育改革』の方向ではないか」と批判しました。