2014年2月14日(金)
論戦ハイライト
インドへ原発輸出 許されぬ
衆院予算委 塩川議員が主張
日本共産党の塩川鉄也議員は13日の衆院予算委員会で、核不拡散条約(NPT)に加盟せず核保有国となったインドの原子炉に日本製品が納入されていた事実を告発しました。安倍政権は、インドとの間で原発輸出につながる原子力協定交渉を進めています。塩川氏は「他国の核兵器製造に加担してはならない。原発の輸出をやめるべきだ」と主張しました。
塩川氏 核兵器開発に使用の疑い
経産相 指針に基づいて輸出管理
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安倍晋三首相は1月25日にインドを訪れてシン首相との共同声明をまとめました。声明は、「原子力協定交渉の実質的な進展を歓迎し、早期妥結に向け一層努力する」としています。
インドの原発は21基。建設中の原発は5基です。設備容量を2032年までに10倍以上の約6300万キロワットに拡大する目標です。
塩川氏は、インドがNPTに加盟せず、1974年と97年に地下核実験を行った核兵器保有国であり、その核弾頭保有数は90〜100発と推計されていると指摘。首相がすすめる日印原子力協力について、被爆地の広島市と長崎市の両平和宣言で「核兵器を廃絶する上では障害となりかねない」(広島市の松井一実市長)、「NPTを形骸化する」(長崎市の田上富久市長)と批判されていることを示しました。
塩川 総理は、被爆地の広島、長崎の声をどう受け止めるのか。
首相 インドは核実験モラトリアム(一時停止)や原子力施設の軍民分離といった約束を着実に実施している。
塩川氏は「本当に『軍民分離』など可能か」と述べ、インドが重水炉(サイラス研究炉)から抽出したプルトニウムを利用して地下核実験を行い、核兵器を製造してきたと指摘。近藤駿介・原子力委員会委員長はその事実を認めました。
塩川氏は、インドの核兵器開発・製造に使用された疑いがある製品を輸出した企業が、東証1部上場企業で化学用精密ポンプ製造のトップ企業「日機装」であることを明らかにしました。
日機装が1980年代から90年代にかけてインドに輸出したポンプの実績表を提示した塩川氏。日機装が80年3月27日にインド原子力省に納入した重水移送用ポンプが、核兵器用プルトニウムを製造するインドの軍事研究施設「バーバ研究所」のドルーバ原子炉に使用されたことを、日機装の関係者の証言とあわせて示しました。
塩川 消耗部品を定期的に交換すれば、ポンプは50年は十分に運転できる。いまなお稼働している可能性がある。調査するべきだ。
茂木敏充経産相 原子力関連資機材・技術の輸出国が守るべき指針に基づいて輸出管理を実施している。
日本企業の製品が核兵器製造に寄与している可能性を指摘されても、「調査」を約束しない政府。塩川氏は、日機装が1985年3月30日に、外為法で輸出禁止対象となっている重水製造設備のポンプを、核兵器製造と不可分の設備であるインドの重水製造工場に輸出していたと指摘。インドの原子力施設の「軍民分離」ができていないと追及しました。
塩川 被爆国としての原点に立ち返って、他国の核武装に協力しないことこそ貫くべきだ。
首相 原子力施設の軍民分離が協力の当然の前提だ。
塩川氏は「『軍民分離』はまやかしであり、原子力輸出は認められない」と改めて強調。「福島原発事故の教訓からいっても、『原発ゼロ』こそ進むべき道だ」と述べました。