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2014年2月5日(水)

主張

13年度補正予算案

増税対策でなく増税中止こそ

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 2013年度の補正予算案の審議が、衆院から参院に舞台を移し、大詰めを迎えています。14年度の予算案と一体で、昨年12月安倍晋三政権が決めた「好循環実現」のための経済対策にもとづき、4月からの消費税増税を強行するための対策を盛り込んだものです。消費税増税を実施する条件は整ったといいながら、追加的な対策を持ち出すこと自体矛盾であり、大企業減税や不要不急の公共事業追加などその中身に照らしても、「増税対策」の予算はやめ、消費税増税そのものを中止すべきです。

打撃受ける国民に冷たく

 13年度補正予算案は、一般会計で5兆4744億円に上り、96兆円近い14年度当初予算案とあわせると100兆円を突破する大型予算です。安倍政権は、補正予算案で4月からの消費税増税による反動減を緩和し、持続的な経済成長につなげるといいますが、予算案はそんな中身ではありません。

 消費税を4月から3%引き上げれば、国民の負担は約8兆円増え、増税に直撃されてその分消費が減り、国民の暮らしも日本経済も破綻に直面することは明らかです。ところが予算案には、庶民への負担軽減や社会保障充実など国民の暮らしを応援する中身はほとんどありません。震災復興の財源に充てる特別法人税を前倒しで廃止することや「成長力強化」をうたった公共事業の追加など大企業向けの予算が盛りだくさんです。

 最たるものは復興特別法人税の廃止です。東日本大震災の復興財源は、国民に対しては25年間にわたる特別所得税の負担を押し付け、法人に対してはたった3年間の特別法人税の負担を求めるというものでした。しかも法人税の実効税率は5%も引き下げており、特別法人税を上乗せしても負担が増えなかったのが実態です。安倍政権はその特別法人税でさえ、1年前倒ししてこの3月末で廃止するのです。日本共産党の佐々木憲昭議員は衆院予算委で、国民には25年間で8兆円もの負担を押し付けるのに、法人の特別税は前倒し廃止では道理がないと批判しましたが、政府は説明できません。

 安倍政権は「好循環実現」を掲げ、減税で大企業のもうけが増えれば景気がよくなり、賃金も雇用も改善するようにいいますが、大企業に賃上げする気があるなら、現在でも272兆円もためこんでいる内部留保の一部を使えばできるのに、それはしません。「好循環実現」といっても絵に描いた餅です。

 補正予算案に盛り込まれた、「競争力強化」や「オリンピック開催」などを口実にした三大都市圏環状道路や国際コンテナ戦略港湾の整備など公共事業の追加も、大企業の仕事を増やすだけの不要不急の事業です。中小企業にも国民にも仕事がまわる保証はありません。

駆け込みや転嫁への不安

 こうした予算を編成したからといって、消費税増税を強行するというのは絶対に許されません。4月からの増税実施が迫るとともに、物価の上昇を見越した駆け込み需要の動きや、増税分が価格に転嫁できないのではないかという中小企業・零細業者の不安と懸念が急速に広がっています。こうした経済の混乱を防ぐためにも、増税は直ちに中止すべきです。

 消費税増税はやめ、国民の所得を増やしてこそ、暮らしも経済も立て直すことができます。


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