2013年12月11日(水)
“燃え広がる抵抗 首相事急ぐ”
秘密保護法 ドイツ紙が論評
9日付の南ドイツ新聞は、日本の国会で強行採決され成立した秘密保護法に関する論評を掲載し、「経済の男として登場した安倍首相は、いま安全保障政策の強化に全力を置いている。新たな法律は、そうでなくとも秘密主義だった政府の姿勢をさらに拡大し、内部告発者を威嚇することになろう」と強調しました。
同紙は、安倍首相が「経済再生」を掲げて選出されながら、政府の権限を強め、民主主義的な規制を打破することに専念してきたと指摘。秘密保護法の対象には、原発安全対策やその失敗も含まれる可能性があるとしています。
また同法にもとづく政府文書の扱いは、国会による監視だけでなく、将来の歴史家による検証をも困難にすると指摘。内部告発で明るみに出た日本政府の隠ぺい体質について、沖縄返還密約や原発放射能汚染に関するシナリオを秘密にした事例を列挙しています。
同紙は法案採決強行について、「(同法に対する)抵抗運動は燎原(りょうげん)の火のように燃え広がり、安倍氏の自民党内部にすらも拡大している。そのために首相は事を急いだ」と指摘しています。