2013年10月6日(日)
毅氏3選総選挙 公選法違反事件
徳田虎雄氏の「金庫番」告訴したが政界工作億単位に
徳洲会
自民党・徳田毅衆院議員(鹿児島2区)が3選した昨年12月の総選挙をめぐる医療法人・徳洲会グループによる大がかりな公選法違反事件。同グループが、資金数億円を横領したとして、選挙経理担当の元事務総長を業務上横領と背任容疑で警視庁に告訴状を提出したことが5日までに、徳洲会幹部への取材で分かりましたが、同グループの億単位の政界工作にも注目が集まっています。
(藤沢忠明)
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関係者によると、元事務総長は徳田虎雄理事長(75)の「金庫番」と呼ばれ、同理事長が率いた「自由連合」の会計責任者を務めたのをはじめ、複数のグループ会社の会計を担当。選挙活動や資金の捻出に関わりました。2009年の衆院選までは、男性が代表取締役を務めた医療機器販売会社から選挙資金が捻出されていたといいます。
元事務総長は、虎雄氏の親族と対立し、ことし2月、懲戒解雇されています。グループ側は、「懲戒処分の原因となる事実」として、グループ企業から支払われた仮払金7億5000万円余の使途について明らかにしなかったことなどをあげています。
大規模選挙戦
これに対し、元事務総長は、懲罰委員会の「聴聞通知書」への83ページにわたる反論書を作成。「自由連合の選挙は、最大政党の自民党にも匹敵するほどの規模で行われました」などと当事者ならではの告発をしています。
たとえば―。
▽1996年から全国的な選挙をした自由連合の選挙費用は、多くは徳洲会の関連会社「インターナショナル・メディカル・リース」が貸し付けて、行われていたが、帳簿に出せない費用も多くあった。
▽ある政党を立ち上げるときに、徳田理事長が億単位の現金を提供した。その後、徳洲会の税金申告漏れ事件が報道されると返還された。
▽首都圏の知事にも億単位の資金提供。かき集めたその資金の中には、税金から拠出された政党助成金も含まれており、他から現金を持ってきて穴埋めした。
一方、2010年8月7日に解散した自由連合が同月12日に提出した政治資金収支報告書によると、「インターナショナル・メディカル・リース」に56億1515万5000円、同じく徳洲会グループの保険代理会社「インターナショナル・ホスピタル・サービス」に8800万円、計57億円を超す借入金が残されたままです。
原資は保険料
徳洲会幹部は、元事務総長が10年以降、グループ会社から数億円を横領した疑いがあるなどと主張していますが、徳洲会グループの収入の原資は国民の保険料であるだけに、「徳洲会マネー」の徹底的な疑惑の解明が必要です。