2013年8月16日(金)
首相「反省」「不戦」を放棄
終戦68年 「靖国」に固執 玉串料奉納
68年目の終戦記念日の15日、安倍晋三首相は東京都内の日本武道館で開かれた政府主催の全国戦没者追悼式の式辞で、歴代首相が表明していたアジア諸国に対する加害の「反省」や「不戦の誓い」を表明せず、歴史逆行の姿勢を改めて示しました。首相は追悼式に先立ち、日本の侵略戦争を正当化する靖国神社に玉串料を奉納しました。日本共産党の志位和夫委員長は談話で、首相の玉串料奉納などを厳しく批判。全国各地で侵略戦争の正当化を許さない行動が行われました。
首相は式辞で、2007年に自身も使った「アジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与え、深い反省と追悼の意を表する」という表現を用いず、近年の首相が使っていた「不戦の誓い」にも触れませんでした。一方で「戦後わが国はひたすらに平和の道をまい進してきた」などと述べました。
首相は靖国神社に自ら出向かず、自民党総裁として萩生田光一衆院議員(総裁特別補佐)を通じて玉串料を私費で奉納しました。しかし、首相官邸で記者団に「国のためにたたかい、尊い命を犠牲にされたご英霊に対する感謝の気持ちと尊崇の念を込めて玉串を奉てんしてもらった」と、参拝と変わらない思いを強調しました。
靖国神社には、新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、稲田朋美行政改革担当相の3閣僚が参拝。新藤氏は記者団に「私的な参拝だ」といい、古屋氏は「戦没者をどういう形で慰霊するかは国内問題であり、他の国から批判や干渉を受けることではない」と居直りました。自民、民主、維新、みんな、生活など与野党の国会議員200人(代理含む)が参拝しました。