2013年8月11日(日)
「ナヌムの家」21周年記念式典への
志位委員長のメッセージ
日本共産党の志位和夫委員長が10日、韓国の「ナヌムの家」設立21周年・日本軍「慰安婦」歴史館開館15周年記念式典に送ったメッセージ全文は次の通りです。
ナヌムの家設立21周年と日本軍「慰安婦」歴史館の開館15周年を記念する式典への招待をいただき、心から感謝します。残念なことに本日、東京でおこなわれる私たちの党創立91周年記念講演会と重なったため、出席がかないません。筆舌に尽くしがたい歴史の生き証人であるハルモニの方々、その生活を支えつつ歴史の事実を粘り強く伝えてこられた方々に、心からの敬意を込めて連帯のあいさつを送ります。
戦後68年もたってなお残されている日本軍「慰安婦」問題の解決は、被害者の方々の年齢を考えても、緊急の課題です。その解決のためには、日本政府としてこの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です。韓国政府は、1965年の日韓請求権協定に基づく両国政府間の協議を繰り返し日本政府に求めています。日本政府は、「請求権の問題は解決済み」として、協議に応じる姿勢を示していません。
しかし、この協定では、協定の解釈および実施に関する両国間の紛争がある場合には、「まず、外交上の経路を通じて解決するものとする」としています。日本軍「慰安婦」問題が、被害者の告発によって明らかとなり、政治問題化したのは90年以降のことであり、「解決済み」との日本側の主張は成り立ちません。日本政府は、協定の規定にしたがい、韓国政府との協議に早急かつ誠実に応じるべきです。
歴史は決してつくりかえることはできません。しかし、誠実に向き合うことはできます。日本が、歴史に誠実に向き合い、誤りを真摯(しんし)に認め、清算をおこなってこそ、末永く日韓両国民の心通う友情を築いていくことができると確信しています。
いま世界でもアジアでも、日本の右傾化への懸念が強まっています。同時に日本国民のなかには、歴史をゆがめる逆流に対する、強い理性的批判の声が急速に広がっています。そのことは、先の参議院選挙で、この逆流と真正面から対決した私たち日本共産党が大きく躍進したことにも示されています。91年前の結党時から、侵略戦争と植民地支配反対をかかげ、韓国・朝鮮の愛国者に連帯してたたかった歴史を持つ党として、日本の政治をアジアや世界から歓迎される方向に転換させるため、全力をつくす決意です。
みなさんのご健康と、活動の発展を心から願っています。
2013年8月10日
東京にて 日本共産党幹部会委員長 志位和夫