2013年7月31日(水)
神奈川県教委が不当介入
実教出版「日本史」教科書 再検討求める
審議前に圧力
神奈川県教育委員会が、県立高校で来年度使用する教科書について、実教出版の「日本史A」「日本史B」を申請した校長に再検討を求めていたことが30日までにわかりました。採択審議前の県教委の行為に現場の教職員らは「不当介入だ」と指摘しています。
県立高校の教科書は、各学校の申請を受けた県教委が毎年審議・採択しています。ある学校の教職員によると、県教委は再検討を求めた際、審議過程で学校名が明らかになるとした上で「外部団体からの圧力があるかもしれない」などと説明したといいます。
両教科書は、「日の丸掲揚・君が代斉唱」について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述しています。
県教委高校教育指導課の久保田啓一課長は「日の丸掲揚・君が代斉唱」について「教職員の責務だと考えており、(両教科書が記述している)『強制』という言葉は合わない」と主張。両教科書は、不採択の可能性があるために再検討を促したと認めました。
県教育運動連絡センターの加藤誠事務局長は「教科書の採択は県民の前で公に行われるべきです。審議前に圧力をかけて申請を変えさせようとする県教委のやり方は、採択過程を闇の中に置く不当な介入で許されません」と指摘しています。